キリンビール、仙台工場で製造再開 「一番搾り とれたてホップ生ビール」初仕込式を実施

2011年9月26日 20:17

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 キリンビールは26日、東日本大震災で被災した仙台工場のビールづくりを再開した。「再開後初」のビールづくりは、ホップの産地として有名な岩手県遠野市で、今年の夏に収穫したばかりのホップを贅沢に使用した、今しか飲めない特別な一番搾り「一番搾り とれたてホップ生ビール」でスタート。震災からの復旧による「再開後初」と、東北ゆかりのビールの「今年初」の二つの意義を持つ「初仕込」を仙台工場で実施した。「一番搾り とれたてホップ生ビール」は、11月9日に数量限定で全国発売する。また、工場見学、工場内レストランも11月3日からの再開を予定している。

 3月11日の震災以降、仙台工場では、全従業員および協力会社で約100日間におよぶ清掃・片付けを手作業で実施。その後、7月からユーティリティーが復旧したことにより、東北ゆかりの「一番搾り とれたてホップ生ビール」を、例年通り9月に仙台工場で製造することを目指し、設備の点検・修繕作業に本格的に取り組んできた。その関係者一丸となった取り組みが実を結び、今回、製造再開を果たした。

 一般的に多くのビールは、ホップの収穫後、品質を保つため乾燥させて使用するが、「一番搾り とれたてホップ生ビール」では、岩手県遠野産の収穫したばかりのホップを、水分を含んだ生の状態で凍結させ、これを細かく砕いて使用することで、旬のホップの個性を最大限に引き出した。

 岩手県遠野市は、年間を通して冷涼な気候で、きれいな水と空気に恵まれ、良質なホップを栽培するのに大変適していることから、日本有数のホップ生産地となっている。8月下旬から9月上旬にかけて収獲したばかりのホップは、特許を取得した同社独自の技術により、水分が含まれた生の状態で、およそマイナス30℃に凍結され、“遠野産凍結ホップ”となる。

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