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『衣替え相場』が本格化!「輸出関連」から「内需関連」銘柄へ=犬丸正寛の相場展望
「暑さ寒さも彼岸まで」。まもなく、衣替えがやってくる。来週(20日~22日)のマーケットも『衣替え相場』が本格化となるだろう。[写真拡大]
★夏物の「輸出」から、秋・冬物の「内需」へ
「暑さ寒さも彼岸まで」。まもなく、衣替えがやってくる。来週(20日~22日)のマーケットも『衣替え相場』が本格化となるだろう。
厳しかった残暑も彼岸を堺に秋色の気配が漂いはじめることだろう。マーケットでは、「輸出関連銘柄」から、「内需関連銘柄」へ入れ替えが本格化するものとみられる。
思えば、リーマンショックを乗り越えるため、世界各国が一斉に政府支出を増大させた。その反動が今、世界の重石(おもし)となっている。各国とも国家財政の悪化(借金)に見舞われ、新興国では強烈なインフレによる社会不安を抱えている。政府支出規模が大きかっただけに、とても短期間で重石を取り外すことはできない。目先的にはギリシャ支援で一致をみているものの、ギリシャ自体が根本的に財政を立て直す気持ちがないと、また金融不安は頭をもたげてくる。世界を見渡して、輸出関連銘柄は本腰を入れて買う情況にはない。
とくに、今の世界における経済政策は、リーマンショック直後のように思い切りアクセルを踏む時ではない。たとえば、昔、自動車がマニュアル車時代だったとき、坂道を登るときのように、クラッチペタルを操作しながらブレーキペタルとアクセルペタルを瞬時に3つも操作しなくてはいけない高等な運転技術が求められているのと似ている。オートマチック車に慣れ切ってしまった今の時代の難しさがここにある。
もちろん、日本も財政(借金)の厳しさは他人事ではない。日本の国債は日本国民によって大半まかなわれているという強みは確かにある。しかし、人口高齢化に伴い、それも難しくなっていくことを忘れてはいけない。
もっとも、今の日本は、東日本大震災で「復興」のために借金もやむなしで一致している。ただ、そのための増税となると話は違ってくる。まさに政治の出番である。優先順位からすれば、まず「復興ありき」だろうが、果たしてどうか。まもなく復興のための第3次補正予算の審議が始まる。10兆円を超える規模なら、「復興関連銘柄」の出番である。難しい話ではない。お金が向かう確実なところなのである。酷な言い方だが、いつまでも輸出関連に未練を残してはいけない。早く切り換えた人ほど復興関連で成果を得ることができる。
★日経平均、TOPIX久々に30日線上抜く
日経平均、TOPIXとも週末16日に30日線を8月1日以来、1ヵ月半ぶりに上抜いた。NYダウの行方など安心はできないものの、マーケットは復興関連銘柄を中心とした内需関連銘柄への期待を強めている。とくに、内需株の動きをより強く反映するTOPIXが日経平均以上に力強く30日線を大きく上抜いている。彼岸を堺として強い相場が見込まれるとみてよいだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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