やらせコメントは意識しないでも「やらせコメント」的になるケースも=浅妻昭治

2011年7月19日 16:01

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

好業績・高株価---当たり前の相場セオリーである。市場関係者のマーケットコメントも強気、強気と繰り返して齟齬をきたすことはない。

好業績・高株価---当たり前の相場セオリーである。市場関係者のマーケットコメントも強気、強気と繰り返して齟齬をきたすことはない。[写真拡大]

■「やらせコメント」が意識された銘柄?

  好業績・高株価---当たり前の相場セオリーである。市場関係者のマーケットコメントも強気、強気と繰り返して齟齬をきたすことはない。決算発表は、2月期決算会社の第1四半期(3~5月、1Q)業績の開示がほぼ一巡し、3月期決算会社の第1四半期(4~6月、1Q)の公表に移るところで、2月期決算会社の小売り各社が、予想を上回る好業績・高株価となっただけに、3月期決算会社にも、同様の展開を期待したいところである。

  問題は、まったく逆のケースである。好業績・株安、業績悪・高株価、業績悪・小幅安などの場合だ。「株価は結果がすべて」を信じ込んでいる市場関係者は、マーケットコメントに苦労することになる。「株価は神様」ですべてに優先し、株価が間違っているとは口が裂けてもいえないからである。この結果、自らの強気、弱気には封印をして、悪材料・好材料織り込み済み、目先材料出尽くし、売り方の買い戻しなどもっともらしく説明せざるを得ない。九州電力 <9508> は、原発運転再開に向け「やらせメール」を連発して社会問題化したが、市場関係者も、これに勝るとも劣らず、株価がいわせる「やらせコメント」を意識しなくてはならないときもないではないのである。

  7月14日に今8月期第3四半期(3Q)決算を発表したファーストリテイリング <9983> も、そんな「やらせコメント」が意識された銘柄の1つであった。3Q業績が、市場の期待とは裏腹に2ケタ減益となったからである。同社の場合、期待が逆に出たのは今回が初めてではない。

  7月4日に開示の6月の国内月次既存店売上高も、市場の期待したほどのプラス転換幅とはならなかった。市場の期待が先行して実態悪に裏切られるとショック安が起こるのは、2003年4月の「ソニー・ショック」などで経験済みだが、今回のファーストリテイリングの3Q減益転換業績では、いまのところ株価は小幅安にとどまっている。6月月次売上高では、むしろその後に年初来高値を更新したほどだから、余計に3Q減益決算は、マーケットコメントでは市場関係者泣かせとなった可能性がある。

  このファーストリテイリングに対する市場の期待は、同社が早々と5月末から節電対策対応の「スーパークールビズ」キャンペーンを開始したことから助走を開始し、例年より早い梅雨明けで全国的に猛暑が到来しいっそう高まった。その期待が裏目に出ているのだから、株価は売られていいはずなのにむしろ高値圏で下値抵抗力を発揮している。勢い市場関係者のマーケットコメントも、「やらせコメント」的な色合いを強めることになる。「やらせコメント」については、意識しないでも「やらせコメント」的になるケースもある・・・。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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