三菱航空機とボーイング MRJのカスタマー・サポートに関する契約を締結

2011年6月22日 21:44

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三菱航空機が開発を進める次世代リージョナルジェット機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」

三菱航空機が開発を進める次世代リージョナルジェット機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」[写真拡大]

 三菱航空機とボーイングは22日、三菱航空機が開発を進める次世代リージョナルジェット機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」のカスタマー・サポートを、ボーイングが提供することで合意した。同日、パリで開催中のエアショーにおいて、両社がその業務体制について発表した。

 契約の下、ボーイング民間航空機部門内の「ボーイング・コマーシャル・アビエーション・サービセズ」は、MRJの部品調達・在庫計画の策定、現地サービスを含めた各種サービスの運営など、24時間・365日体制でカスタマー・サポート サービスを提供する。

 一方、三菱航空機は、既に業界内で高い評価を獲得しているボーイングのカスタマー・サポートを活用しながら、自社によるカスタマー・サービス体制の構築を目指す。また、MRJの営業活動を強化する。

 三菱航空機の江川豪雄社長は、「MRJはこれまでの常識を覆す革新的な航空機であり、21世紀の時代にふさわしい航空機。今回契約で、ボーイングの支援により最良のカスタマー・サポートをお客様に提供することが可能になり、お客様の競争力と収益力の向上に大きく貢献する。さらに、この協業により、三菱航空機とボーイング社の関係が大きく発展してゆくものと確信している」とコメントしている。

 また、ボーイングの民間航空機部門社長兼CEOのジム オルボー氏は、「三菱航空機のカスタマー・サポートを支援出来ることを非常に嬉しく思う。当社のゴールは、ライフサイクルを通してMRJの価値を最大限に高めることであり、それが三菱航空機の市場での競争力強化につながるものと確信している」とコメントしている。

 ボーイングはまた、三菱航空機独自のサービスとメンテナンス用ウェブサイトを展開するための最新テクノロジーも提供する。同ウェブサイトは利便性も高く、メンテナンスや交換部品の必要性を予測、検知するために必要なアプリケーションとデータをユーザーに供給する。

 同ウェブサイトは、ボーイングのお客様用ウェブサイトである「MyBoeingFleet.com」を基に作成されるもの。航空機データをリアルタイムでモニター、収集、解析するボーイングのAHM(Airplane Health Management System)を活用する際のツールにもなる。MRJの運航会社は、このウェブサイトを利用することで、最短時間でのメンテナンス作業が可能となる。

 ボーイングは、三菱航空機の主出資者である三菱重工業と、ボーイング製民間航空機や戦闘機の製造面で、長年にわたる友好関係を築き上げている。

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