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「八百長」改め「株式市場」も「ガチンコ相撲」張りの業界再編劇!=浅妻昭治

「八百長」が発覚して大相撲の春場所が中止となった。大相撲始まって以来の不祥事で、「八百長」の全容が判明するまで夏場所も中止になる可能性があり、大相撲は存亡の危機にあると報道されている。ということは、大相撲が再開された場合は、裏返せば取組はすべて「八百長」なしの「ガチンコ相撲」、真剣勝負になることになる。[写真拡大]
【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】
■「ガチンコ再編」の関連株は無差別買いから「再編が再編」を呼ぶ選別も
「八百長」が発覚して大相撲の春場所が中止となった。大相撲始まって以来の不祥事で、「八百長」の全容が判明するまで夏場所も中止になる可能性があり、大相撲は存亡の危機にあると報道されている。ということは、大相撲が再開された場合は、裏返せば取組はすべて「八百長」なしの「ガチンコ相撲」、真剣勝負になることになる。
「世界最強の格闘技」といわれる大相撲である。それでなくとも土俵に上がる力士にはサポートをし、膏薬を貼った怪我持ちが多いと見受けられるのである。これが「ガチンコ相撲」となったら、怪我人が続出して、満足に取組が組めなくなるのではないかと余計な心配もしたくなる。
株式市場でも、「ガチンコ相撲」張りの業界再編劇が飛び出した。例の2月3日に発表された新日本製鐵 <5401> と住友金属工業 <5405> との経営統合に向けた検討開始である。公正取引委員会の神経を逆撫でするような国内トップと第3位の合併で、粗鋼生産量で世界第2位に躍進することになる。このサプライズは大きく、買い物が殺到して両社の株価は急伸した。
しかも市場では、この大型合併が日本企業の構造改革の先鞭をつけるとして、外国人投資家の日本株買いの呼び水になるとも観測された。永田町では、菅直人首相の口癖の「平成の開国」が、うわっ滑りしていまひとつ訴求力に欠けるのに対して、産業界が打ち出した「ガチンコ再編」が、日本企業の底力をリアリティを持ってアピ-ルしたと受け止められたとされたためだ。
かつて「改革なくして成長なし」とする殺し文句で、あのライオン丸こと、小泉純一郎元首相が、外国人投資家の買い物を誘い「改革なくして株高なし」のセールスマンとなった。今度は、殺し文句が「再編なくして株高なし」、「合併なくして株高なし」として新日鐵と住金がリード役となる可能性があると期待されてもいるのである。
ただ統合発表以来わずか2日間、新日鐵、住金とともに関連株買いが広がった鉄鋼関連株が早くも反落した。これは合併協議の進展とともに鉄鋼関連株は、無差別買いから「ガチンコ銘柄」の選別が高まることを示唆しているともいえそうだ。
とすれば、こと「ガチンコ再編」関連株を選定するに際しては、リサーチの矛先銘柄としては、まず2002年に新日鐵、住金との3社で包括提携し、2006年に株式持合いを強化した神戸製鋼所 <5406> の動向が要注目となる。さらに統合が統合を呼ぶとしたら新日鐵系の鉄鋼専門商社の日鐵商事 <9810> と住金系の住金物産 <9938> 、新日鐵系の海運会社のNSユナイテッド海運 <9110> と住金系の第一中央汽船 <9132> からも目を離せないことになる。新日鐵と住金の合併期日は、来年10月1日である。時間は十分でジックリ腰を据えて長丁場で対処して問題はなさそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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