『テーマなき個別買い相場』中心の展開へ=犬丸正寛の相場展望

2010年12月3日 17:35

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(6~10日)の相場は、『テーマなき個別買い相場』が続くだろう。師走相場ということでは、例年とおりの回転の速い相場展開。しかし、08年暮れ→09年1月、09年暮れ→10年1月と根本的に違うのは「テーマ性」がないことだ。

来週(6~10日)の相場は、『テーマなき個別買い相場』が続くだろう。師走相場ということでは、例年とおりの回転の速い相場展開。しかし、08年暮れ→09年1月、09年暮れ→10年1月と根本的に違うのは「テーマ性」がないことだ。[写真拡大]

■テーマ性なく「好業績と好チャート」が前面に

  来週(6~10日)の相場は、『テーマなき個別買い相場』中心の展開が続くだろう。

  師走相場ということでは、例年とおりの回転の速い相場展開。しかし、08年暮れ→09年1月、09年暮れ→10年1月と根本的に違うのは「テーマ性」がないことだ。08年はGSユアサ、シャープなど環境エネルギー関連、09年はスマートグリッド関連が活気のある動きをみせていた。

  今年は、「これといったテーマ銘柄は浮上していない。テーマは政権政策との関連が非常に深い。今は、年明けの政局がどうなるか分からない不安定さがある。ダム建設ひとつ見ても、やる、やらないとくるくる変わっている。とても、テーマを発掘できる雰囲気ではない」(中堅証券)ということだ。

  幸い、NY株の強い動きに支えられている。しかも、日米関係信頼回復を契機に、アメリカ等の外国人投資家の日本株買いも戻っている。需給面ではしばらく強い動きが予想される。

  日経平均の動きは、昨年11月安値9076円から、今年1月14日の1万909円まで上昇した形と似ている。今年も11月2日の9123円が直近の安値。前回と同じ上昇率20.1%を当てはめると、来年1月上中旬に1万956円の目標となる。そのていどを目安にしておけば、大きな差はないだろう。

  これから、いよいよ、ペッタン、ペッタンと年末特有のモチつき相場が佳境を迎える。テーマ性がない分、「好業績と好チャート」が前面に出た物色と予想される。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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