ジャパンパッシングを避ける「株価多様性」の保全には厳冬関連株に=浅妻昭治

2010年11月1日 17:41

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

名古屋で開催された「生物多様性会議」ではないが、いまや株式市場の絶滅危惧種となりそうなのが新高値銘柄である。前週末の東証1部では、新安値銘柄が400銘柄にも達したのと比例して、新高値銘柄はわずか2銘柄程度にとどまった。

名古屋で開催された「生物多様性会議」ではないが、いまや株式市場の絶滅危惧種となりそうなのが新高値銘柄である。前週末の東証1部では、新安値銘柄が400銘柄にも達したのと比例して、新高値銘柄はわずか2銘柄程度にとどまった。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  名古屋で開催された「生物多様性会議」ではないが、いまや株式市場の絶滅危惧種となりそうなのが新高値銘柄である。前週末の東証1部では、新安値銘柄が400銘柄にも達したのと比例して、新高値銘柄はわずか2銘柄程度にとどまった。

  絶滅危惧種化を懸念されているのは、新高値銘柄ばかりではない。東京市場そのものが、その存立基盤を揺るがせている。いわゆる「ジャパン・パッシング(日本通過)」である。「右顧左眄」、「前門の虎、後門の狼」よろしく米国市場の雲行きに一喜し、中国本土市場の風向きに一憂している。外国人投資家次第、先物主導は相変わらずで独自材料はカゲも形もなく存在感はますます薄くなっている。日銀まで、次回の金融政策決定会合の開催を11月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)直後に前倒しする始末だ。

  無理もない。為替相場は、15年前の円最高値目前まで円高となり、持ち合い解消売りの需給悪化が続き、肝心の永田町も、国会は空転気配で補正予算の成立さえ危うい。折角の今3月期第2四半期の好決算発表も、連想買いは横に広がらず、先取りも不発で個別物色、マバラな反応にとどまっている。

  そのうえに前週末には、政府税制調査会が、証券優遇税制の軽減税率を廃止する検討に入ったとも伝えられて追い討ちをかけた。これでは仮にFOMCの結果次第で、円高・ドル安のトレンドが逆転しても、株価は、「陰の極」からの買い上がりよりも戻り売り優先とならざるを得ない。

  東京市場の絶滅危惧種化に歯止めをかけるには、「生物多様性」ならぬ「株価多様性」が不可欠である。かつては「ローテーション相場」が、市場参加者の多様な投資スタイルを可能にし投資家の共存共栄、共棲を実現した。主力株人気に乗り遅れても、低位材料株には先乗りし、低位材料株で先行者利潤を謳歌すると、IPO(新規株式公開)株や新興市場株に乗り換えて回転を効かせ、もう一度、主力株に挑戦するといった具合だ。売りも一方通行、買いも一方通行では、投資家は市場の後追いを強制されるだけである。

  11月相場で「株価多様性」を先取りする候補株として注目されるのは、「厳冬」関連株である。歴史的な猛暑・残暑から一転して気温の冷え込みが続いているからだ。解説書によると、このカギを握っているのは気象現象の「北極振動」で、この動向次第では寒気が北極から南下し、2006年以来の厳冬となる可能性もあるということである。気象庁は、この北極振動の動向を11月末発表の3か月予報で公表する予定にあり、天候相場に拍車をかける展開も想定される。

  石油ファンヒーターのコロナ <5909> 、ダイニチ工業 <5951> 、LNG・LPGの関東天然瓦斯開発 <1661> 、岩谷産業 <8088> 、シナネン <8132> 、季節料理の鍋関連の雪国まいたけ <1378> 、ホクト <1379> 、ダイショー <2816> 、エバラ食品工業 <2819> 、即席ラーメンのユタカフーズ <2806> 、東洋水産 <2875> 、日清食品ホールディングス <2897> 、キッチン用品の中山福 <7442> など顔触れもバラエティーに富んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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