ユニチカトレーディング・衣料繊維事業 海外拠点網の構築に着手

2010年10月27日 09:32

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記事提供元:日本繊維新聞

 ユニチカトレーディング(UTC)・衣料繊維事業本部はテキスタイル事業の体質強化と取り組んでいる。10年度上期で事業性の分析を終わらせており、下期から強化策に着手。12年度末で対策の効果を「フルに発現」(竹歳寛和衣料繊維事業本部長)させ、筋肉質な事業体への転換を目指す。

 UTC・衣料繊維事業本部は傘下にマテリアル、機能素材、ユニフォーム、レディスの4営業部を構えており、寝装・寝具、資材、スポーツ、インナー、ユニフォーム、婦人・紳士などの用途でTX事業を展開する。

 昨年10月に新会社として発足して以降、UTCはすでに大がかりな構造改革を終えており10年度上期、TX事業では事業性の分析に着手。下期から各セグメントごとに策定した課題消化、強み拡大のための対策に着手した。

 ユニフォームでは、UTCとしてスタートして以降、インドネシアの拠点・ユニテックスを活用した海外展開を本格化させており、今後は中国なども含めた海外生産品で日系アパレルが展開する海外縫製へのアプローチを強化し、ワーキング素材中心の拡販を目指す。
  インナーでも外注を駆使した海外生産のための拠点作りを急いでいる。事業構造改革の過程で撤退した中級品のゾーンに再度、海外で生産するTXや製品OEM(相手先ブランド生産)で乗り込んでいく。

 レディスでは、自社の強みに位置づけるニットをさらに強化。ニットダウン向けに展開する「ラインスターE」や「シルミー5」の販売を好調に推移させており、販売量を10年秋冬の3500反から11年秋冬で1万反超に伸ばす。

 織物では再構築を考えており、新素材への入れ替えによる商品ラインの鮮度アップを重視。11年秋冬に向けては新たに「ムーヴフィット-L」、「ルクス」を導入するほか、カジュアルゾーンでの販売増を狙いナイロン短繊維による商品群構築を進めている。
  UTCは国内市場は「今後も縮小均衡を辿る」と見通しており、事業規模を維持していくため婦人ニットやスポーツ織物、ユニフォーム素材などによる輸出拡大を計画。

 中国の大手SPAに向けたハイテンショントリコットの輸出を軌道に乗せており、09年度で年間3万反規模まで引き上げたという。

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