東邦テキスタイル 10年度末で黒字体質に

2010年10月21日 09:18

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記事提供元:日本繊維新聞

 東邦テキスタイルが構造改革と取り組んでいる。紡績工場の縮小、組織再編などによる守りの対策とともに製品OEM(相手先ブランド生産)事業の拡大、海外展開などを強化し、10年度末で安定的に利益を挙げられる体制構築を目指す。さらに、11年度からは中期3か年計画をスタートさせ、中堅紡績としての存在感をアップさせたい考えだ。

 東邦テキスタイルは長く赤字を続けてきた企業体質を転換するため、10年度いっぱいをかけた構造改革と取り組んでいる。

 紡績工場を4万5000錘から3万錘体制に縮小するとともに、本体の組織を3グループから2グループに再編するなどで固定費を削減。営業損益を黒字転換するめどが「上期で見えてきた」(安丸貞明社長)との手ごたえを示す。

 東邦テキスタイルは03年度から製品OEMビジネスを本格化させており、アクリル/レーヨンによる秋冬の暖か肌着、ニットアウターの販促に力を入れてきた。

 09年度から本格化させた海外展開の一環として、技術指導する中国企業との連携に着手。中国企業への外注で紡績糸生産や編み立て、染色を行っているほか、中国のアクリルメーカーからマイクロアクリルのOEM供給を受けるなどのオペレーションを通じ年々、製品OEMビジネスを拡大してきた。

 大手通販や大手量販店と取り組む肌着やアウターのOEMビジネスを10年秋冬で「400万枚規模に乗せられる」(安丸社長)と見通しており、11年度以降も両アイテムを中心に販売拡大と取り組んでいく。

 海外展開においては、上海、青島、江陰などに連携する外注5拠点を確保。日本へ持ち帰る製品OEMでの連携だけでなく、それぞれの拠点で生産する商材、製品を日系商社を通じ中国内需向けに販売する取り組みにも意欲を示している。

 東邦テキスタイルはインドのバルドマン、丸紅との合弁でインドに紡績工場(VMTスピニング)を展開してきた。ここの活用が不充分だったため、今後は細番手糸やコンパクトヤーンによる新しい組み立てを考えている。

 また、吸湿発熱性能が特徴のアクリレート繊維「サンバーナー」の拡販を計画。13年秋冬から暖か肌着向けにテキスタイルや製品OEMを供給していくための開発を近々、立ち上げる。

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