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老人福祉・介護事業者の倒産、19年上半期は過去最高の55件 東京商工リサーチ調査
■上半期の倒産件数は2000年以降で最高
4日、東京商工リサーチが2019年上半期の「老人福祉・介護事業の倒産状況」を発表した。19年上半期の老人福祉・介護事業の倒産件数は前年同期比22.2%増55件と、2年連続で前年同期を上回った。さらに介護保険法が施行された2000年以降では、年上半期で最多件数を更新した。
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近年通年で倒産件数が多かったのは2017年の111件。ついで16年の108件、18年の106件と3年連続で倒産件数が100件を超えている、今年も通年で倒産件数が100件を超え、過去最高を更新しそうな勢いとなっている。
■負債総額は2.7倍も小規模業者の倒産が大半
上半期の負債総額は前年同期比272.0%増の109億9,300万円。負債総額が急増した原因は、有料老人ホームを経営していた未来設計(負債額53億8,600万円)などの大型倒産があったため。ただし、55件のうち負債額が1億円未満となる小規模企業の倒産件数は、同25.7%増の44件だったことから、小規模企業の苦しい状況は変わっていない。
また設立5年未満の経歴の短い業者の倒産件数が17件、従業員数5人未満の小規模業者の倒産件数が36件となっており、小規模な新規参入業者の倒産が多い傾向が続いている。
■訪問介護事業の倒産件数が増加
業種別では訪問介護事業が55件中32件で最も多かった。ついで、通所・短期入所介護事業が13件、有料老人ホームが5件、その他の老人福祉・介護事業が3件。前上半期では訪問介護事業と通所・短期入所介護事業がともに18件だったことから、通所・短期入所介護事業が減った一方、訪問介護事業が1.7倍に急増した。
■最も多い原因は販売不振
倒産の形態別では破産が51件と最も多い。倒産に至る原因では販売不振が40件と多く、ついで事業上の失敗と運転資金の欠乏が各4件、金利負担の増加と既往のしわ寄せが各2件となっている。業界への参入が容易なことから新規の起業を進めやすい一方で、人材不足や要員の高齢化とともに、企業間の競争で体力の無い小規模事業者が倒産に至っている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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