2023年度スマートフォングローバル市場における売上を発表〜iPhone販売シェアは米国、インド、新興国で記録的な50%に〜
配信日時: 2024-03-12 09:00:00
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、2023年度スマートフォングローバル市場の売上は2%減少し、4,100億米ドル(約61.5兆円)をやや下回り、出荷量は4%の減少となったという調査結果を含むMarket Monitorによる最新調査を発表致しました。
2023年度スマートフォングローバル市場における売上2%減と出荷量4%減の差は、スマートフォンのASPが2%上昇したことが主な要因で、ASPは初めて350米ドル(約5.3万円)を超える結果となりました。Appleはスマートフォングローバル市場における売上の50%を占め、通年でのシェアとしては過去最高を獲得しました。Appleの好調な業績は、高価格帯機種指向のトレンドに拍車をかけ、2023年に出荷されたスマートフォンの4台に1台が工場卸値600米ドル(約9万円)以上という結果になりました。そのため、高価格帯機種以外のセグメントが二桁の減少となったことに対し、高価格帯スマートフォンの出荷は、折りたたみ型スマートフォン、GenAIなどの新機能、それにもちろんApple効果も相まって、8%の増加となりました。
図1: 2018年から2023年におけるスマートフォングローバル市場レベニューシェア・平均販売価格・出荷シェア推移
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMzM2NDEjNzc3NDVfTUxvRWNoa21xaS5wbmc.png ]
※上記データは2024年2月21日最終更新
出典: カウンターポイント社Market Monitor Service Preliminary Data
Appleの2023年の業績に関して、カウンターポイント社リサーチディレクターJeff Fieldhack氏は次の通り述べています。
「トップ5社の中で、Appleだけが2023年に成長することができた。台数の面では米国がAppleの成長に最も貢献したが、インド、カリブ海諸国と中南米(CALA)、中東とアフリカ(MEA)などの新興国市場でも二桁成長し、これも同社の躍進に貢献した。中国ではHuaweiが復活し、Appleにとっては負の要因となったが、前述の成長などによって、それが打ち消された形である。成長とともにASPも2%上昇し、同社は売上におけるスーパーサイクルに入ったように見える。同社のエコシステムにいったん入るとそこから出るひとは少なく、加えて高価格帯機種指向のトレンドも後押しし、年間の売上は2,000億米ドル(約30兆円)を超えた。」
中国におけるAppleの業績に関して、カウンターポイント社シニアアナリストIvan Lam氏は次の通り述べています。
「新興国市場が好調で業績を上乗せできたことは良いニュースだ。しかし、中国は懸念材料として残る。中国市場は回復してきているが、Appleは、復活したHuaweiと高価格帯機種セグメントで競合するだけでなく、iPhone 13と14の市場を切り崩そうとする他の中国メーカーとも戦わなくてはならない。ヤマ場となる中国の旧正月に向けてAppleが積極的な値付けをするかどうか、またそれが販売台数の伸びに繋がるかを注目したい。」
Samsungは、長らく出荷ベースでトップに君臨していましたが、今や多方面に課題を抱えています。高価格帯機種市場ではAppleにシェアを奪われ、また、中位セグメントでは、Xiaomiやvivoを含む中国メーカーとの競争がインドなどの市場で激化しています。さらに低価格の機種は、中東や東南アジアにおいてTranssion Groupが対抗しています。
HuaweiとHONORを別にすれば、中国の主要メーカーは出荷でも売上でも2023年は減少という厳しい結果になりました。中国のトップ5社の中では、vivoが欧州で業績が伸びなかったことと、フラグシップ機種の発売タイミングが悪かったことで、売上で16%、出荷で12%の減少となりました。また、OPPO*の売上と出荷は、ともに9%減少しました。OPPOグループのOnePlusが成長したため、減少はこの程度で食い止めることができた形です。OPPO*の欧州における事業展開は、Nokiaとの間で5G特許のクロスライセンスに合意したことで、状況は好転する可能性があります。
スマートフォングローバル市場全体において、ASPは上昇傾向が続く可能性があります。メーカー、キャリア、小売も、みな高価格帯機種を売る方を好む傾向があり、さらに、需要サイドにおいては、便利な支払いプランのおかげもあり、消費者は、より長く使える機種であれば高くてもよいと考えています。Huaweiが中国で復活したことも、ASPの上昇に貢献すると考えられます。
※ OPPO*の数字には、2021年第3四半期以降OnePlusを含む。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://www.counterpointresearch.com/research_portal/market-monitor-quarterly-vendor-revenue-by-asp-q4-2023/
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2023年1月1日~2023年12月31日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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