MSCIによる2022年市場分類の見直し

MSCIナイジェリア指数をフロンティア市場からスタンドアローン市場に分類変更する可能性について協議を開始
グローバル市場における清算・決済サイクルの進化に注目
スリランカ株式市場のアクセス性を引き続き監視
ロシア株式市場のアクセス性に影響を及ぼす規制が続いていることを再確認


（ニューヨーク）-（ビジネスワイヤ） -- 世界の投資コミュニティーに重要な判断支援ツールとサービスを提供する大手企業のMSCI（NYSE：MSCI）は本日、MSCI 2022年市場分類見直しの結果を発表しました。

指数リサーチ・商品開発グローバル責任者でMSCI指数方針委員会委員長のディミトリス・メラス博士は、次のように述べています。「今年の見直しでの市場アクセス性格付の悪化の多くはロシアの好ましくない状況によるもので、国際的機関投資家はロシアの株式市場に完全にアクセスできなくなりました。そのため、2022年3月に、MSCIロシア指数は新興国市場からスタンドアローン市場に分類変更されました。」

MSCIナイジェリア指数をスタンドアローン市場に分類変更する可能性についての協議

MSCIは本日、MSCIナイジェリア指数をフロンティア市場からスタンドアローン市場に分類変更する可能性に関する提案について協議を開始したことを発表しました。

2020年3月以降、ナイジェリア株式市場ではアクセス性の問題が続いています。ナイジェリアの為替市場の流動性が低いため、外国人投資家が市場への投資から資金を本国に戻すことが非常に困難な状況が続いています。そのため、市場参加者はMSCIナイジェリア指数の投資可能性と再現性について引き続き懸念を表明しています。

指数管理リサーチ・グローバル責任者でMSCI指数方針委員会委員のクレイグ・フェルドマンは、次のように述べています。「ナイジェリアでは、資金を本国に戻しにくい状況が続き、事態は深刻に悪化しています。そのため、2020年5月以降、関連するMSCI株式指数で可能性のある変更の回数を減らすため特別措置が講じられてきました。市場のアクセス性に影響を及ぼす問題が長期化していることから、MSCIナイジェリア指数をフロンティア市場からスタンドアローン市場に分類変更するための協議を提示しました。」

MSCIは、2022年8月31日まで、この分類変更の提案について市場参加者から意見を求めています。

証券の決済サイクルをめぐる最近の動向

2022年にインドは決済サイクルをT+2からT+1に移行する措置を開始しました。また、米国とカナダも昨年、決済サイクルをT+2からT+1に短縮する案を発表しました。

フェルドマンは次のように述べています。「一部の株式市場において、清算・決済方法が短いサイクルに移行していることが確認されています。原理上は、決済サイクルが短くなることは投資家には有利ですが、このような変更の影響により、事前資金調達の要件や運営コストの増加といった障害が発生しないかどうかを評価することが重要です。」

MSCIは、このような状況と予想される影響を引き続き注視し、必要に応じてさらなる情報を発表していきます。

スリランカの市場アクセス性

スリランカでは経済危機が続き、外国為替市場の流動性が不足していることから、今年に入りスリランカ株式市場で本国向け送金の問題が発生し始めました。こうした動きを受け、2022年5月、MSCIはMSCIスリランカ指数で可能性のある変更の回数を減らす特別措置を導入しました。

MSCIは引き続き、スリランカ株式市場の市場アクセス性のレベルに関する意見を求めており、さらなる進展があれば、市場参加者と協議して意見を収集する予定です。

ロシア株式市場の市場アクセス性の悪化

数多くの重大な状況により、ロシア株式市場へのアクセス性は著しく悪化しました。これには、いくつかの国と地域による制裁措置、モスクワ証券取引所における外国人投資家の証券取引能力の制限、ロシア・ルーブルの外貨への交換可能性の悪化が含まれます。

そのため、国際的な投資コミュニティーとの協議を経て、MSCIは2022年3月、MSCIロシア指数を新興国市場からスタンドアローン市場に分類変更しました。

MSCIは引き続き、ロシア株式市場のアクセス性の動向を注視し、市場状況に関連する変化があれば市場参加者と協議していく予定です。

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