2022年第1四半期におけるスマートフォン用アプリケーション・プロセッサ、システム・オン・チップ、ベースバンドチップグローバル市場実績値を発表
配信日時: 2022-06-27 09:00:00
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、高級~中位5G機種が世界中での普及により、スマートフォン用AP(アプリケーション・プロセッサ)/SoC(システム・オン・チップ)やベースバンドチップのグローバル市場での売上は2022年第1四半期に、前年同期比で23%成長したという最新のFoundry and AP/SoCサービスによる2022年第1四半期におけるスマートフォン用アプリケーション・プロセッサ、システム・オン・チップ、ベースバンドチップグローバル市場実績値を発表致しました。
スマートフォン用AP(アプリケーション・プロセッサ)/SoC(システム・オン・チップ)やベースバンドチップのグローバル市場の中でも、特に5G向けAP/SoCとベースバンドチップの売上は、2022年第1四半期に前年同期比で36%成長しています。
図1: 2022年第1四半期スマートフォンチップセット(AP/SoC、ベースバンド)グローバル市場レベニューシェア
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMyOTkwMzQjNzc3NDVfSnZwclVnTHZZbS5wbmc.png ]
出典: カウンターポイント社 Foundry and AP/SoC service
※売上はAP/SoCとベースバンドの個別部品とを合算
カウンターポイント社リサーチディレクターのDale Gai氏は以下の通り述べています。
「Qualcommは、スマートフォン用AP/SoCとベースバンドチップの売上シェア44%で市場をリードしている。2022年第1四半期のQualcommの売上は63億米ドル(約8,500億円)と、前年同期比56%の成長となった。これは高級機の比率が増え、それにつれて平均売価(ASP)が伸びたことによる。Qualcommは、ベースバンドの個別チップもAppleやQualcomm自身のAP向けに提供しており、その売上貢献はQualcommの売上全体の約1/4にあたる。」
また、MediaTekの業績の伸びに関して、カウンターポイント社シニアアナリストのParv Sharma氏は以下の通り述べています。
「MediaTekの売上は2022年第1四半期に前年同期比で29%伸び、世界のAP/SoCとベースバンドチップの売上におけるシェアは19%に達した。MediaTekは5Gの中位スマートフォンと4Gスマートフォン向けに、製品を大量に提供している。5Gの普及は継続的に伸びており、それがMediaTekの売上増を助けている。また、同社はDimensity 9000で初めて高級5Gセグメントに参入し、このチップと、従来のDimensity 8000が売上全体を押し上げた。」
市場プレイヤー概況:
Qualcomm: QualcommはAP/SoCとベースバンドチップの市場を44%のシェアでリードしている。高級機の比率が上がり平均売価(ASP)が伸びたことで、Qualcommの売上は2022年第1四半期に前年同期比56%成長した。Qualcommのスマートフォン向けAP/SoCとベースバンド製品の売上の、ほぼ1/4は個別のベースバンド製品によるものである。
MediaTek: MediaTekはスマートフォン向けAP/SoCとベースバンドチップ全体の19%のシェアを獲得した。MediaTekの2022年第1四半期の売上は前年同期比で29%の成長である。5G対応品の平均売価が高いことと、Dimensity 9000シリーズで高級機セグメントに参入したことが貢献した。
Apple: 高級機iPhone 13の安定した需要によって、Appleは26%のシェアで市場第二位となった。AppleはQualcommのベースバンド部品をiPhone 12とiPhone 13シリーズの5G接続に採用している。
Samsung Exynos: Samsungは、2022年第1四半期のAP/SoCとベースバンドチップ市場において売上シェア7%の第四位となった。Samsungの売上は継続的に成長している。Samsungの出荷数量も、新たに発売したExynos 1280によって2022年第1四半期に増加した。このExynos 1280 SoCを搭載したGalaxy A33とA53を市場に投入したからである。しかし、こうした好材料はあるものの、Samsung Exynosの2022年第1四半期におけるシェアは低下した。これは、フラグシップのGalaxy S22シリーズにおけるシェア争いでQualcommに負けたこと、Exynosの先端チップセットにおける4nmの歩留まりが悪いことが主な要因である。
UNISOC: UNISOCは、AP/SoCとベースバンドチップの市場全体のシェア3%を確保した。その売上の大半は、過去数年で大きく成長した4G用のAP/SoCによるものである。UNISOC AP/SoCの出荷シェアは、2022年第1四半期に11%に達した。他のチップセットメーカーが4G LTE AP/SoCから軸足を移した結果、部品不足が生じ、それがUNISOCにプラスに働いて、新規受注やシェア獲得に繋がった。UNISOCは、realme、HONOR、Motorola、Samsung、ZTE、TECNOの契約を獲得し、顧客ベースを拡大させることができた。いずれもUNISOCのTigerシリーズチップセットを採用している。
HiSilocon: 米国の貿易禁止の影響で、HuaweiはHiSilicon Kirinチップセットの製造ができなくなった。これまでに積み上げたKirin SoCの在庫はほぼ底をついている。売上シェアは2021年第1四半期の8%から2022年第1四半期の1%へと低下した。
本レポートの詳細はこちらからご覧いただけます。
https://www.counterpointresearch.com/qualcomms-premium-portfolio-leads-record-revenues-handsets/
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。Foundry and AP/SoCにその詳細が報告されています。(調査時期:2022年1月~2022年4月)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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