ICU患者の気管内挿管中に低酸素血症を早期に警告するMasimo ORi™の能力について追究した新研究

プレスリリース発表元企業:Masimo

配信日時: 2021-09-08 01:06:00

ICU患者の気管内挿管中に低酸素血症を早期に警告するMasimo ORi™の能力について追究した新研究

研究者らはORiの使用が低酸素血症に対する「予防措置」を促進する可能性があることを発見

(スイス・ヌーシャテル)-(ビジネスワイヤ) -- マシモ(NASDAQ: MASI)は本日、Annals of Intensive Care誌に掲載された前向き盲検観察研究の知見を発表しました。本研究では、フランスのナント大学病院センターのJean-Baptiste Lascarrou医師と同僚らが、ICU患者の気管内挿管(ETI)中における軽度の低酸素血症を予測するMasimo ORi™の能力を評価しました1。研究者らは、ORiが低下してから酸素飽和度(SpO2)が低下するまでの時間に「予防措置を講じることができる可能性がある」とともに、前酸素化中のORiの値が高いと「独立的に低酸素血症を予防できる」と結論付けました。

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Masimo Root® with ORi™ (Photo: Business Wire)Masimo Root® with ORi™ (Photo: Business Wire)

米国外で提供しているORi機能は非侵襲的かつ連続的なトレンド指標であり、酸素補給を受けている患者の酸素モニタリングを拡張するものです。多波長rainbow® Pulse CO-Oximetryプラットフォームで実現されるORi は、臨床的に実証済みのMasimo SET® パルスオキシメトリーで測定される酸素飽和度(SpO2)と共に提供されます。

研究者らは、ETIを必要とする患者の前酸素化を最適化することの重要性に注目し、ORiが「SpO2で探究できる範囲を超えた情報を提供する」という理由で、処置中に差し迫った低酸素血症を早期に警告できるかどうかを評価しようとしました。組み入れ基準を満たした患者51人を対象に、前酸素化開始時に、Masimo Radical-7® Pulse CO-Oximeters®とrainbow®指先センサーを用いて、ORi(SpO2と共に)を測定しました。数値は2秒ごとに記録し、主治医はこれらの値について盲検下に置かれました。主要評価項目の測定値は、ORiが0.4未満になってから軽度の低酸素血症(SpO2が97%未満と定義)が発症するまでの時間でした。次に研究者らは、前酸素化中のORiの低下がETI中の軽度の低酸素血症の発症を予測するかどうかを評価しました。

ROC曲線下面積を分析したところ、研究者らは前酸素化中のORiによって挿管時のSpO2 97%未満が予測される(0.73、95%信頼区間:0.58〜0.88)ことを発見しました。それに反して、前酸素化終了時のSpO2は、「予測性が不良」(0.54、95%信頼区間:0.40〜0.67)でした。単変量解析を行ったところ、研究者らは前酸素化中のORi値が高いとSpO2 97%未満の発生頻度が低いことと関連しており(オッズ比0.09、95% CI 0.01〜0.69、p=0.0199)、「前酸素化中のORi値が高いと、ETI時間とBMIで調整した後のETI中のSpO2 97%未満のリスク低下と有意に関連していた(オッズ比0.76、95% CI 0.61〜0.95、p=0.0141)」ことを見いだしています。

研究者らは、「無呼吸期間中にORiが0.4未満に低下してからSpO2が97%未満に低下するまでの時間の中央値は81秒[34~146]であった。前酸素化中の高いORi値は軽度の低酸素血症(SpO2 97%未満)のリスク低下と独立的に関連していた」と結論付けました。

研究者らは、事前警告が中央値で81秒あることにより、「即時の挿管、早期のフェイスマスク換気、声門上器具の挿入、挿管困難時の支援の要請が可能になるかもしれない」と指摘しています。また、「ORi測定は、前酸素化の実施にもかかわらず酸素予備量が増加せず、従ってETI中に酸素飽和度の低下のリスク(上昇)を抱える患者を見極めることに役立ち得る。これらの患者は、前酸素化期間を長くするかデバイスを変更したり、あるいは両方の処置を取ったりすることが利益になる可能性がある」と述べています。さらに著者らは、「ORiの低下は、不十分な酸素流量や大きな漏れなど、前酸素化技術の欠陥の発見につながるかもしれない」と指摘しました。

研究の限界として、著者らは、組み入れ基準を満たしていないICU患者のコホートは未評価のままであるため、今回の結果をこれらのICU患者に一般化することはできないと述べています。今回の研究における組み入れ基準は、ETIを必要とするICUへの入室と、SpO2/FiO2比が214超であることとしました。SpO2/FiO2比は、非侵襲的人工呼吸または高流量酸素療法中に測定されました。従来の酸素療法の場合、吸入気酸素濃度(FiO2)は、FiO2 = 0.21 + O2 [L/minの流速] x 0.03として計算されました。

ORiはFDA 510(k) 認可を取得しておらず、米国では販売していません。

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マシモについて

マシモ(NASDAQ: MASI)は世界的な医療技術企業として、革新的な測定法、センサー、患者モニター、自動化ソリューション、接続ソリューションを含め、業界をリードする多様なモニタリング技術の開発・製造に当たっています。当社の使命は、患者転帰を向上させ、ケアのコストを削減し、非侵襲的モニタリング技術を新たな施設とアプリケーションにもたらすことです。1995年投入のMasimo SET® Measure-through Motion and Low Perfusion™(体動時・低灌流時モニタリング可能)パルスオキシメトリーは、他のパルスオキシメトリー技術より性能面で優れていることが100件を超える独立した客観的研究で示されています2。またMasimo SET®は医師が新生児における重度の未熟児網膜症を減らし3、新生児におけるCCHDスクリーニング値を改善し4、術後の病棟におけるマシモ・ペイシェント・セーフティーネット(Masimo Patient SafetyNet™)での連続的モニタリングで使用した場合、救急対応チームの実動、ICUへの移動、コストを削減する5-8ことが示されています。Masimo SET®は世界各国の主要な病院やその他の医療現場で推定2億人以上の患者に使用されており9、USニューズ&ワールド・レポート誌の2021-22年全米優良病院ランキング10において上位10病院中の9病院で最重要のパルスオキシメトリーとなっています。マシモはSET®の改善を続けており、2018年には体動時の状態におけるRD SET®センサーのSpO2精度が大幅に改善されたことを発表し、医師らが頼りにしているSpO2値は患者の生理状態を正確に反映しているとの信頼感を高めることとなりました。2005年、マシモはrainbow® Pulse CO-Oximetry技術を発表し、それまで侵襲的な手段でのみ可能であった血液成分モニタリングを非侵襲的、連続的なものとすることを可能にしました。測定できるのは、トータルヘモグロビン濃度(SpHb®)、酸素含量(SpOC™)、カルボキシヘモグロビン濃度(SpCO®)、メトヘモグロビン濃度(SpMet®)、脈波変動指標(PVi®)、RPVi™(rainbow® PVi)、予備酸素摂量指数(ORi™)です。2013年、マシモは患者モニタリング&コネクティビティ・プラットフォームRoot®を導入しました。本プラットフォームは可能な限り柔軟で拡張可能なものとなるようゼロから構築し、その他のマシモ製モニタリング技術やサードパーティー製モニタリング技術の追加を容易化しました。マシモの重要な追加技術には、次世代SedLine®脳機能モニタリング、O3®リージョナルオキシメトリー、NomoLine®サンプリングライン付きISA™カプノグラフィーが含まれます。マシモの連続モニタリング/スポットチェック製品ファミリーPulse CO-Oximeters®には、Radius-7®やRadius PPG™などのテザーレスなウエアラブル技術、Rad-67™などのポータブルデバイス、MightySat® Rxなどのフィンガーチップパルスオキシメーター、Rad-97®などの病院と自宅の両方で使用できる装置を含め、様々な臨床/非臨床シナリオで使用できるようデザインした装置があります。マシモの病院自動化/接続ソリューションはMasimo Hospital Automation™プラットフォームを中心に構成されており、Iris®Gateway、iSirona™、Patient SafetyNet、Replica™、Halo ION™、UniView®、UniView: 60™、Masimo SafetyNet™を含みます。マシモと当社製品の追加情報については、www.masimo.comをご覧ください。マシモの製品に関して発表済みの臨床研究の結果はwww.masimo.com/evidence/featured-studies/feature/でご覧いただけます。

ORiおよびRPViはFDA 510(k)承認を取得しておらず、米国では販売されていません。Patient SafetyNetの商標の使用は、ユニバーシティ・ヘルスシステム・コンソーシアムからのライセンスに基づいています。

References

Hille H, Le Thuaut A, Canet E, Lemarie J, Crosby L, Ottavy G, Garret C, Martin M, Seguin A, Lamouche-Wilquin P Morin J, Zambon O, Miaihle AF, Reignier J, Lascarrou JB. Oxygen reserve index for noninvasive early hypoxemia detection during endotracheal intubation in intensive care: the prospective observational NESOI study. Ann. Intensive Care. 2021 11:112. DOI: 10.1186/s13613-021-00903-8.パルスオキシメトリーおよびMasimo SET®の利点に関して発表済みの臨床研究は当社ウェブサイト(http://www.masimo.com)で確認可能。比較研究には、学会で発表されたアブストラクトや査読誌の論文から成る独立した客観的研究が含まれる。Castillo A et al. Prevention of Retinopathy of Prematurity in Preterm Infants through Changes in Clinical Practice and SpO2 Technology. Acta Paediatr. 2011 Feb;100(2):188-92.de-Wahl Granelli A et al. Impact of pulse oximetry screening on the detection of duct dependent congenital heart disease: a Swedish prospective screening study in 39,821 newborns. BMJ. 2009;Jan 8;338.Taenzer A et al. Impact of pulse oximetry surveillance on rescue events and intensive care unit transfers: a before-and-after concurrence study. Anesthesiology. 2010:112(2):282-287.Taenzer A et al. Postoperative Monitoring – The Dartmouth Experience. Anesthesia Patient Safety Foundation Newsletter. Spring-Summer 2012.McGrath S et al. Surveillance Monitoring Management for General Care Units: Strategy, Design, and Implementation. The Joint Commission Journal on Quality and Patient Safety. 2016 Jul;42(7):293-302.McGrath S et al. Inpatient Respiratory Arrest Associated With Sedative and Analgesic Medications: Impact of Continuous Monitoring on Patient Mortality and Severe Morbidity. J Patient Saf. 2020 14 Mar. DOI: 10.1097/PTS.0000000000000696.推定値:マシモの社内資料http://health.usnews.com/health-care/best-hospitals/articles/best-hospitals-honor-roll-and-overview.将来見通しに関する記述

本プレスリリースは、1995年民事証券訴訟改革法との関連で、1933年証券法第27A条および1934年証券取引所法第21E条で規定された将来見通しに関する記述を含みます。これらの将来見通しに関する記述には、Masimo ORi™の潜在的な有効性に関する記述などが含まれます。これらの将来見通しに関する記述は、当社に影響を及ぼす将来の出来事についての現時点での予測に基づいており、リスクおよび不確実性に左右され、これらのすべてが予測困難で、これらのすべてが当社のコントロールを超えており、種々のリスク要因の結果として、将来見通しに関する記述で表明された内容とは不利な形で著しく異なる結果が生じる場合の原因となり得るものです。これらのリスク要因には、臨床結果の再現性に関する当社の仮定に関連するリスク、ETI中の低酸素血症を予測するMasimo ORiの能力に関する新研究の知見を一般化できないリスク、Masimo ORiの事前警告能力の実用的適用に関する研究者らの結論が正確でないかもしれないリスクがあります。Masimo ORiを含むマシモ独自の非侵襲的測定技術が良好な臨床結果と患者安全性に貢献するという当社見解に関連するリスク、マシモの非侵襲的医療技術のブレイクスルーがコスト効率に優れたソリューションと独自のメリットを提供するとの当社見解に関連するリスク、COVID-19に関連するリスクに加え、米国証券取引委員会(SEC)に提出した当社の最新報告書のセクション「リスク要因(Risk Factors)」で指摘したその他の要因が含まれますが、これらの要因に限定されません。これらの報告書はSECのウェブサイト(www.sec.gov)から無料で入手できます。当社は将来見通しに関する記述に反映された予測が合理的であると考えるものの、当社はこれらの予測が正しいと判明するかどうか判断できません。本プレスリリースに含まれる将来見通しに関する記述はすべて、全体として前記の注意書きによる明示的条件の下に成立するものです。読者の皆さまは、本日の時点についてのみ言及しているこれら将来見通しに関する記述に過度の信頼を寄せないようお願いします。当社はこれらの記述または当社がSECに提出した直近の報告書に含まれる「リスク要因」について、新規の情報、将来の出来事、その他の結果に関係なく、適用される証券法で求められる場合を除き、更新・修正・説明する義務を何ら負いません。

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