米自動運転トラックのGatikが320億円調達、ペプシコなどの無人トラック輸送を100台超へ拡大

2026年8月27日 19:08

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記事提供元:Tech Times

自動運転トラックを手がける米Gatik(ギャティック)のGautam Narang最高経営責任者(CEO)(同社広報映像より)

自動運転トラックを手がける米Gatik(ギャティック)のGautam Narang最高経営責任者(CEO)(同社広報映像より)[写真拡大]

自動運転トラックを手がける米Gatik(ギャティック)は2026年8月25日、シリーズDラウンドで2億ドル(約318億円、1ドル=159円換算)を調達したと発表した。物流センターと店舗などを結ぶ地域輸送に力を入れており、調達資金を車両、技術、インフラ、人員の拡充に充てる。現在は北米で数十台を運行し、2026年末までに100台を超える体制を目指す。

■QIAとKDTが2億ドルの調達を主導

今回のシリーズDラウンドは、カタールの政府系ファンドであるカタール投資庁(QIA)と、コーク・インダストリーズ系のコーク・ディスラプティブ・テクノロジーズ(KDT)が主導した。ミレニアム・マネジメント、ARKインベスト、インタクト・プライベート・キャピタルなども参加した。

Gatikによると、同社の契約済み収益は6億ドル(約954億円)を超え、完全無人で処理した配送注文は8万5000件、定時配送率は99%に達している。これらは同社が公表した事業実績であり、今回の資金調達では、こうした既存の商用運行をさらに拡大する方針だ。

QIAのアブドゥラ・アルクワリ氏は、自動運転貨物輸送が物流の効率性と信頼性を高めつつあると説明し、次世代の貨物輸送インフラを形作るGatikのような企業を支援する考えを示した。KDTも、自動運転貨物輸送が将来性を期待される技術から実際の商用運行へ移りつつあるとの見方を示している。

■物流センターと店舗を結ぶ地域輸送に特化

Gatikは、物流センター、倉庫、店舗などを結ぶ高頻度の地域輸送を主な対象としている。あらゆる道路や状況に対応することを最初から目指すのではなく、自動運転システムが作動できる道路、地域、速度、天候などの条件を定めた「運行設計領域(ODD)」の範囲内で運行する方式だ。

特定の輸送網に対象を絞ることで、走行環境や運行条件を事前に検証しやすくなる。頻繁に繰り返される拠点間輸送に、自動運転を段階的に組み込むのがGatikの事業モデルである。

同社は米国のテキサス州、アリゾナ州、アーカンソー州とカナダで、物流センターと店舗などを結ぶ輸送を行っている。顧客や提携企業には、ウォルマート、ペプシコ、クローガー、タイソン・フーズ、カナダのロブロー・カンパニーズなどが含まれる。

ウォルマートとの提携は2019年に始まり、Gatikは2021年にアーカンソー州の商用配送ルートで、車内にセーフティドライバーを置かない運行を開始した。ロブローとは、グレータートロント地域の配送網に50台の自動運転トラックを導入する5年契約を2025年に結んでいる。導入は段階的に進められ、セーフティドライバーを乗せた運行から完全無人運行へ移行する計画だ。

■ペプシコの北米物流網で商用展開

ペプシコとGatikは2026年6月、北米の食品・飲料サプライチェーンに自動運転貨物輸送を導入する複数年の戦略的提携を発表した。Gatikはすでにテキサス州、アリゾナ州、アーカンソー州でペプシコ向けの運行を行っている。

対象となるのは、製品を拠点間で日常的に運ぶ高頻度かつ時間制約の厳しい地域輸送網だ。ペプシコは、自動運転トラックの活用によって輸送能力を追加し、配送の一貫性と顧客対応を強化する狙いを示している。

Gatikのシステムは、高速道路と一般道を含む地域輸送に対応し、日々の需要や物流センターの稼働状況に応じて集荷先や配送先を追加、削除できる動的なルート運用を特徴とする。固定された1本の経路を往復するだけでなく、検証された運行条件の範囲内で、実際の物流需要に合わせて計画を調整する仕組みだ。

■ODDの限定で複雑さを管理

ODDとは、自動運転システムが作動するよう設計された条件の組み合わせを指す。対象地域、道路の種類、気象条件、速度域などが含まれ、システムはその範囲内で使用される。

Gatikは、物流拠点間の地域輸送という用途とODDを組み合わせることで、検証すべき状況の範囲を管理している。自動運転システムでは、発生頻度が低く予測しにくい走行状況への対応が大きな課題となる。運行範囲を定める手法は、この課題を特定の輸送網ごとに検証可能な形へ整理するものだ。

同社の車両は、LiDAR、レーダー、カメラなど複数種類のセンサーを使用して周囲を認識する。実際の運行に先立って、走行ルートや各種の交通状況をシミュレーションと公道試験で検証し、安全性を確認しながらセーフティドライバーを外す段階へ進む。

地域輸送は同じ拠点間を一日に何度も往復する場合があり、長時間運行できる自動運転車両と組み合わせれば、輸送能力を増やせる可能性がある。一方、実際の費用対効果は、車両価格、保守、遠隔支援、保険、規制対応などを含む運用全体によって決まる。

■2026年末までに100台超を計画

Gatikは、北米で運行する完全無人トラックを現在の数十台から、2026年末までに100台超へ増やす計画だ。その後は、需要と運行条件に応じて数千台規模への拡大を目指すとしている。

調達資金は、商用運行と車両の拡大に加え、自動運転技術、インフラ、人員への投資にも使われる。Gatikが公表した8万5000件の完全無人配送、99%の定時配送率、6億ドル超の契約済み収益を、より大きな車両群でも維持できるかが今後の焦点となる。

規制面では、カリフォルニア州が2026年4月、自動運転車に関する新たな規則を採択し、大型自動運転車の試験と商用展開に向けた申請を可能にした。同州では、セーフティドライバーを乗せた試験、無人試験、商用展開へと段階的に進む許可制度が設けられ、大型車には各段階で厳しい走行実績と安全性の説明が求められる。

連邦議会には、自動運転システムを搭載した車両に関する連邦政府の権限や安全基準を整備する「SELF DRIVE Act of 2026」が提出されている。ただし、2026年8月時点では成立しておらず、Gatikの事業や州の大型トラック規制に与える具体的な影響も確定していない。

Gatikの取り組みは、用途と走行条件を限定し、検証済みの地域輸送網から自動運転を商用化するアプローチである。100台を超える体制への拡大は、このモデルをより大きな物流網でも継続的に運用できるかを測る次の段階になる。

■注目ポイントQ&A

●Gatikの自動運転システムは他社と何が違うのですか?

物流センターと店舗などを結ぶ地域輸送を主な対象とし、道路、地域、天候などの運行条件を定めたODDの範囲内でシステムを検証している点が特徴です。対象を絞ることで、想定しなければならない走行状況の範囲を管理しています。

●完全無人配送8万5000件という数字は第三者が認定したものですか?

Gatikが2026年8月の資金調達発表で公表した実績です。同社は併せて、99%の定時配送率と6億ドルを超える契約済み収益を公表しています。

●自動運転トラックはドライバーの仕事を奪いますか?

雇用への影響は、導入される輸送区間、車両の増加速度、遠隔支援や保守など新たに必要となる業務によって変わります。Gatikは現在、物流拠点間の地域輸送に自動運転車両を導入し、顧客の輸送能力を補う用途を中心に展開しています。

●どのような企業がGatikを採用していますか?

公表されている顧客や提携先には、ウォルマート、ペプシコ、クローガー、タイソン・フーズ、カナダのロブロー・カンパニーズなどがあります。契約内容や導入段階は企業や地域によって異なります。

●今回の2億ドルは何に使われますか?

商用運行と車両の拡大に加え、自動運転技術、インフラ、人員への投資に使われます。Gatikは2026年末までに、完全無人トラックを100台超へ増やすことを目標としています。

元記事: Driverless Trucks Now Run Walmart, PepsiCo Routes: Gatik Raises $200M to Scale

■今回の資金調達に関するGatikの広報映像

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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