Bitget、日本居住者向けサービスを段階的終了 12月31日以降は未決済ポジションを強制決済

2026年8月4日 20:18

印刷

記事提供元:Tech Times

Photo by André François McKenzie on Unsplash

Photo by André François McKenzie on Unsplash[写真拡大]

セーシェルを拠点とする暗号資産取引所Bitgetは、日本居住者向けサービスを段階的に終了すると発表した。日本居住者による新規登録は2026年8月3日に停止され、対象口座は11月1日午前11時から決済専用モードへ移行する。12月31日午前11時以降も残っている未決済ポジションは強制的に決済されるため、利用者は期限までに口座と資産の状況を確認する必要がある。

■日本の利用者が確認すべきスケジュール

日本居住者による新規口座登録は、2026年8月3日に停止された。既存ユーザーについても、今後は段階的に利用できる機能が制限される。

日本居住者と判定された口座は、2026年11月1日午前11時(日本時間)から「クローズオンリー(決済専用)」モードへ移行する。新規ポジションを開いたり、既存ポジションを積み増したりすることはできなくなる。

制限対象には、現物取引、先物取引、P2P取引、Convert、コピートレード、取引ボット、Earn商品などが含まれる。入金は制限付きとなり、暗号資産と法定通貨の出金を除く多くのサービスが利用できなくなる予定だ。

さらに、2026年12月31日午前11時以降も残っている未決済ポジションは、その時点の市場価格で強制的に決済される。強制決済となった場合、利用者は決済の時期や価格を選べない。カードサービスも同時期に停止される。

暗号資産の出金機能は、12月31日以降も利用できると案内されている。ただし、出金上限、本人確認、利用可能なネットワークなどの条件が適用される可能性があるため、利用者はBitgetから届く電子メールと公式サポート情報を確認する必要がある。

■日本居住者との判定に誤りがある場合

Bitgetは、日本居住者と判定したユーザーに対し、2026年9月17日以降に通知を送るとしている。現在は日本国外に居住しているにもかかわらず対象と判定された場合は、住所証明を含むレベル2の本人確認を完了することで、口座へのアクセスを維持できる。

住所証明には、銀行取引明細書、公共料金の請求書、税務関係の証明書などが利用できるとされる。手続きを行う場合は、2026年11月1日午前11時までに本人確認を完了することが推奨されている。

期限までに本人確認を完了できなかった口座は、日本居住者の口座として扱われ、決済専用モードなどの制限を受ける。必要な書類や審査状況は利用者ごとに異なる可能性があるため、Bitgetからの個別案内を確認する必要がある。

■Bitgetが説明している終了理由

Bitgetは、日本におけるコンプライアンス対応と関連制度を総合的に踏まえ、日本居住者向けサービスの提供を終了すると説明している。一方、どの法改正や行政措置が今回の決定を直接引き起こしたのかについて、具体的な説明は確認できない。

2026年には暗号資産規制を資金決済法から金融商品取引法へ移管する改正法が成立しており、Bitgetの発表は日本で暗号資産規制の再編が進む時期と重なった。ただし、発表時期が近いことだけを根拠に、この法改正が撤退の直接的な原因だったと断定することはできない。

改正法は2026年7月15日に参議院で可決され、同年7月23日に法律第64号として公布された。暗号資産に関する情報公表制度、業規制、不公正取引規制、資金決済法から金融商品取引法への規制移管などは、公布日から1年以内の政令で定める日に施行される。

このため、改正法の暗号資産関連規定や新たな罰則が2026年8月4日または5日に施行されたとする説明は正確ではない。施行日は別途政令で決められる。

■日本の金融当局による過去の警告

Bitgetに関係する事業者は、日本の金融当局から複数回の警告を受けている。

金融庁は2023年3月31日、Bitget Limitedがインターネットを通じ、日本居住者を相手方として無登録で暗号資産交換業を行っていたとして警告した。

金融庁は2024年11月28日にも、Bitget Limitedに対して同様の警告を行った。このとき金融庁が公表した所在地はシンガポール共和国で、代表者としてGracy Chen氏が記載されている。ただし金融庁は、この情報がインターネット上の情報に基づくもので、現時点の情報とは異なる可能性があると注記している。

2025年6月20日には、関東財務局がBTG Technology Holdings Limitedに警告した。関東財務局によると、同社はBitgetの名称でサービスを提供し、必要な登録を受けずにインターネットを通じて店頭デリバティブ取引を勧誘していた。

現物の暗号資産交換サービスは資金決済法上の登録対象であり、暗号資産を用いた証拠金取引などのデリバティブ取引は金融商品取引法上の登録対象となる。このため、2023年と2024年の警告と、2025年の関東財務局による警告は、対象となった事業者名だけでなく、問題とされた業務の法的な位置付けも異なる。

■暗号資産規制は金融商品取引法へ

2026年に成立した改正法は、暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金融商品取引法へ移し、暗号資産を有価証券とは異なる金融商品として位置付ける。

改正後は、暗号資産に関する情報公表制度、暗号資産取引業者への業規制、インサイダー取引を含む不公正取引規制、無登録業者への対応強化などが導入される。

発行者が資金調達を行う暗号資産については、発行者に情報公表義務を課す。発行者がいない暗号資産や、発行者自身による資金調達を伴わない場合には、暗号資産取引業者が暗号資産の性質、機能、供給量、基盤技術、リスクなどの情報を公表する仕組みが設けられる。

一方、この改正はビットコインを含む特定の105種類の暗号資産だけを列挙し、それらを一括して金融商品へ再分類する制度ではない。暗号資産という商品類型に対する規制の根拠法と制度体系を見直すものである。

■無登録業者への罰則をめぐる注意点

金融庁は、改正前の無登録暗号資産交換業に対する罰則を「3年以下の拘禁刑等」と説明し、改正制度では罰則を引き上げる方針を示している。

ただし、Bitgetに関する一部の海外報道が伝えた「最高刑が3年から10年へ引き上げられ、罰金も300万円から1000万円となる」「その規定が公布から20日後に施行される」という説明は、日本の国会や金融庁が公表した資料からは確認できない。

また、改正法の暗号資産関連規定は、原則として公布から1年以内の政令指定日に施行される。したがって、Bitgetが8月3日に撤退を発表したことで、8月4日または5日に発効する10年以下の刑を回避した、と断定することもできない。

今回の撤退を法改正と関連付ける場合は、日本の規制再編とBitgetの発表時期が近接しているという範囲にとどめる必要がある。

■金融庁登録業者は26社

金融庁が公表している2026年6月30日現在の一覧によると、登録済みの暗号資産交換業者は26社である。Bitgetはこの一覧に含まれていない。

登録業者には、bitFlyer、Coincheckを運営するカスタディエム、GMOコイン、ビットバンク、SBI VCトレード、Binance Japanなどが含まれる。

ただし、金融庁の登録を受けていることは、その業者が取り扱う暗号資産について、金融庁が価値を保証または推奨していることを意味しない。金融庁も、登録一覧で確認できるのは、その暗号資産が事業者の説明に基づいて資金決済法上の定義に該当するという点にすぎないと注意を促している。

登録業者には、顧客資産と事業者資産の分別管理、システムの安全管理、利用者への情報提供、トラブル対応窓口の整備などが求められる。無登録業者については、こうした利用者保護態勢が整っているかを日本の当局が確認できない。

■取扱銘柄数や手数料は事業者ごとに異なる

国内の登録業者は海外取引所より取扱銘柄が少ない傾向にあるものの、「通常15~30種類」と一律に表現するのは正確ではない。金融庁の登録一覧では、30種類を超える暗号資産を取り扱う事業者も確認できる。

また、取引手数料についても、取引所方式か販売所方式か、現物かデリバティブか、メイカー注文かテイカー注文かなどによって大きく異なる。Bitgetの最低手数料と国内取引所の一般的な手数料を単純に比較すると、異なる取引条件を比較することになりかねない。

移管先を検討する場合は、金融庁への登録の有無に加え、移管したい暗号資産の取扱状況、対応ネットワーク、入出庫手数料、売買方式、スプレッド、出金上限などを個別に確認する必要がある。

■利用者が今すべきこと

Bitgetを利用している日本居住者は、まず自身の口座が対象として判定されているかを確認する必要がある。9月17日以降に届くとされる通知だけでなく、登録メールアドレス、迷惑メールフォルダー、Bitget内の通知も確認した方がよい。

未決済ポジションがある場合は、2026年12月31日午前11時以降の強制決済を待たず、自身のリスク許容度と市場状況を踏まえて整理を検討する必要がある。強制決済では価格を選べず、市場の流動性や価格変動によって想定外の価格で決済される可能性がある。

暗号資産を別の取引所や自己管理ウォレットへ移す場合は、送付先が対応している銘柄とネットワークを事前に確認する必要がある。異なるネットワークへの送付や、必要なタグ・メモの入力漏れは、資産を失う原因になり得る。

Bitgetは12月31日以降も暗号資産の出金を利用可能としているが、将来の出金条件や個別口座への制限がすべて確定しているとは限らない。実際の対応では、Bitgetが利用者へ送る最新の公式案内を優先すべきである。

■注目ポイントQ&A

●Bitgetの未決済ポジションはいつ強制決済されますか?

日本居住者と判定された口座では、2026年12月31日午前11時以降も残っている未決済ポジションが、その時点の市場価格で強制的に決済されます。11月1日午前11時からは決済専用モードとなり、新規ポジションの建玉や既存ポジションの積み増しができなくなります。

●12月31日以降も暗号資産を出金できますか?

Bitgetの案内では、暗号資産の出金機能は12月31日以降も利用できます。ただし、出金上限、本人確認、対応ネットワークなどの条件が適用される可能性があります。最新の公式案内と口座ごとの電子メールを確認してください。

●日本居住者と誤って判定された場合はどうすればよいですか?

現在は日本国外に居住している場合、住所証明を含むレベル2本人確認を完了することで、口座へのアクセスを維持できると案内されています。2026年11月1日午前11時までの完了が推奨されています。

●日本の新法がBitget撤退の直接的な原因ですか?

Bitgetは、日本のコンプライアンスと関連制度を総合的に踏まえた判断と説明していますが、特定の法改正を直接の理由として明示していません。改正法の成立・公布と撤退発表の時期は近接していますが、因果関係を断定することはできません。

●改正法の新しい罰則は8月上旬に施行されたのですか?

確認できる国会の公式情報では、暗号資産関連の主要規定は2026年7月23日の公布から1年以内の政令指定日に施行されます。8月4日または5日に新しい罰則が施行されたとする説明は確認できません。

●Bitgetの代わりに利用できる国内事業者はありますか?

金融庁の2026年6月30日現在の登録一覧には26社が掲載されています。利用先を選ぶ際は、金融庁への登録の有無に加え、移管したい暗号資産とネットワークへの対応、売買方式、スプレッド、手数料、出金条件を個別に確認してください。

※本記事は情報提供のみを目的としており、財務、投資、税務または法律に関する助言を構成するものではありません。

元記事: Bitget Cuts Off Japan Traders: Close Positions Before December 31 Deadline

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

関連キーワード

関連記事