中国塗料、強気中計は現実的か 造船・原材料リスクと成長戦略

2026年6月17日 17:32

印刷

 中国塗料(4617、東証プライム)。塗料業界3位。船舶用塗料では船底用を中心に国内シェア60%、世界2位。船底用塗料を施す意味は大きい。施していないと燃費が80%以上悪化するとされる。

【こちらも】アズ企画設計、富裕層向け不動産ビジネスと中計成長戦略に注目

 1927年に創業者:鈴川巌氏により船底用塗料会社として、設立された。当時の船底塗料は全て輸入物。それが創業の引き金だった。

 収益動向を振り返ると、塗料業界を巡る環境が如実に反映されている。

 2021年3月期は「6.0%減収、87.5%営業増益、34円配」。翌22年3月期は利益が下方修正され「2.8%増収も65.8%減益、35円配」-「23年3月期:18.0%増収、465.1%増益、35円配」-「上方修正、24年3月期:16.80%増収、213.5%増益」-「上方修正、12.9%増収、26.2%増益」。

 そして今3月期は「売上高のみ、1400億円~1600億円レンジ内予想」。ちなみに会社四季報は「売上高1410億円、営業利益188億円」予想。

 それぞれの「修正」要因を中国塗料では、こう説明している

<22年3月期>-原油等の資源高に伴う主要原材料の高騰が期初の想定より長期化する見通しとなり・・・>。

<23年3月期&24年3月期>-「高付加価値製品の販売が進んでいる。製造コストに見合った販売価格の適正化。海外の原材料価格の軟化・・・」。

 原材料価格高騰⇔価格転嫁の是非は、塗料業界でも収益動向を占う上で大きなポイントという次第だ。今期予想もつまりは、「読み切れぬイラン情勢⇔原材料価格動向」。

 一方、塗料業界では構造的問題と直面している。造船業界の新造船低迷。そうした中、中国や韓国などで大型の再編が進んでいる。競争環境の厳しさ。揮発性有機化合物(VOC)など有害物質や航行時に排出されるGHG(温室効果ガス)が造船業界の競争力を左右するポイントなってくる。船舶用塗料業界の対応も必須。

 中国塗料でもここにきて「韓国塗料メーカー:SPIとの資本業務提携」、「今治造船、正永汽船との提携」を発信している。

 環境打破は決して容易ではない。が至2030年度の中計は、「売上高1800億円(25年3月期比29.2%増)、営業利益230億円(32.2%増)、国内市場シェア69%(62%)、中国市場シェア18%(11%)、韓国市場シェア24%(25%)、生産拠点・研究開発拠点向け投資645億円」を掲げている。

 本稿作成中の株価は3600円水準。過去9年半近くの修正済み株価パフォーマンス4.1倍、IFIS目標平均株価4350円。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事