信越化学、福井にレアアース工場新設 供給網再編で脱中国依存進むか

2026年6月16日 17:31

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●信越化学、福井にレアアース新工場

 大手化学メーカーの信越化学が11日、福井県にレアアース(希土類)の精錬設備工場を新設することを明らかにした。経済産業省からの助成金175億円を含め、少なくとも350億円を投資するという。

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 報道を受け株価は上昇し、米系大手証券は投資判断「強気」を維持し、目標株価を8300円から9520円に引き上げた。

 レアアースは、中国からの輸入に依存しているが、日中関係悪化での輸出規制もあり、「中国依存」からの脱却は長年の課題だった。今回のニュースは、ゲームチェンジャーとなるのだろうか?

●これまでもレアアースと関わってきた信越化学

 信越化学は、1967年から福井県の武生工場でレアアースの製造を開始している。長年にわたり、磁石からの分離精製から磁石製造、リサイクルまでの一貫体制を構築していた。

 1986年には電気自動車(EV)の駆動モーターなどに使われるネオジム磁石の量産化に成功し、現在では17種類あるレアアースのうち16種類を抽出する技術を保有している。

 信越化学が福井県に新たなレアアースの生産設備を設けるのは18年ぶりであり、日本政府の経済安保強化の面でも期待される。

●新工場設立で期待されること

 信越化学は具体的な拠点の場所や規模、稼働時期については非公表としている。それでも、期待は高まる。

 では、レアアースの国内供給を強化することで、どのような効果があるのだろうか。

 まず、国内供給を強化しても、物価上昇の歯止めにはならない。一方で、地政学リスクによる供給不安が低減することは、自動車の製造が止まったり、納期が遅れるといったリスクを減らせる。

 新工場の設立は、熊本のTSMCや北海道のラピダスのように、福井県の建設業やインフラ関係の企業が恩恵を受ける可能性が高い。

 新工場により、国内の使用済み磁石や端材の回収やリサイクルの需要が増える。金属リサイクル企業はもちろん、分離精製・精錬プロセスに必要な塩酸や硫酸、化学処理用の産業用ガス、純水装置なども必要となる。

 信越化学だけでなく、恩恵を受ける企業への投資期待も高まるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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