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クリーク・アンド・リバー社、27年2月期収益拡大基調、ゲーム・メディカル伸長と高橋書店寄与
クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は、クリエイティブ分野を中心にプロフェッショナル・エージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開し、プロフェッショナル50分野構想を掲げて事業領域拡大戦略を加速している。4月2日には韓国のグループ会社CREが、CREオリジナルWEBTOON「夢から自由に」のショートドラマ配信を開始したとリリースした。グローバル映像市場へ本格参入する。26年2月期は増収増益・増配予想(3月26日付で修正)としている。そして27年2月期はゲーム、ブロードキャスティング、プロモーション、メディカルなどを中心に各事業が成長して収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して軟調だったが、業績・配当修正を好感する形で反発の動きを強めている。出直りを期待したい。なお4月9日に26年2月期決算発表を予定している。
■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開
クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたプロフェッショナル・エージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、およびライツマネジメント(知的財産の流通)事業を展開している。
事業領域としては8カテゴリ(ゲーム&ライツマネジメント、ブロードキャスティング&動画、プロモーション&マーケティング、メディカル&ヘルスケア、AI/DX・IT、プロフェッショナル・エージェンシー、Quality of Life、インキュベーション&デベロップメント)に展開している。25年2月期末時点でプロフェッショナルクリエイター41.5万人、クライアント5.2万社のネットワークを構築していることが強みだ。
事業拡大に向けてM&Aも推進している。24年2月にはVR・メタバース関連事業を展開するShiftall社を子会社化、24年3月には生成AIを活用してクリエイターの総合支援を行うリヴァイを子会社化、25年3月にはバンダイナムコエンターテインメントと合弁でモバイルゲーム開発のURS Gamesを設立した。また子会社のC&Rインキュベーション・ラボ(22年10月に投資・事業承継事業を行う子会社として設立、現C&R EVERLASTING STORY、以下:C.R.E.S.)が、T&Wオフィス(手帳・日記および書籍等の企画・編集・出版業を展開する高橋書店グループの持株会社、以下:高橋書店グループ)を子会社化した。25年9月には子会社のプロフェッショナルメディアを吸収合併、25年10月には子会社のShiftallがDiver-Xの位置トラッキング技術「ContactTrack」に関する事業を買収した。
25年12月には同社およびC.R.E.S.がファンコミュニティ構築・運営大手のクオンと資本業務提携した。共同事業として日本全国の生活者・プロフェッショナル・企業をつなぐAIファンコミュニティモール「JAPAN共創BASE りろかる」を運営する。
■事業シナジー強化
事業シナジーを見越した資本参加としては、バイオベンチャーのCO2資源化研究所、アグリベンチャーのプラントライフシステムズ、不動産仲介プラットフォームのエージェント・グロース(事業上の通称はケラー・ウィリアムズ・ジャパン)、弁護士保険のミカタ少額短期保険、NFT関連のブロックチェーンエンターテインメント事業を展開するシンガポールDEA社、子ども向けオンライン世界旅行のMimmyなどに出資している。22年9月にはWeb3事業・NFT事業パートナーとしての連携強化を図るためシンガポールDEA社に追加出資した。
なお投資・事業承継事業を行うC.R.E.S.は、高橋書店グループおよびクオンのほか、劇団運営および公演のYTJ、クラウドシングルサインオンのインターナショナルシステムリサーチ、デジタル商社のStandage、スポーツコンバインや人材紹介のF&V、食品原料Web売買プラットフォームのICS-net、毛髪再生医療・次世代インプラントのオーガンテック、エンジニア派遣のネクサスホールディングス、IPO・IRテックのUniforce、経営・IRコンサルのストラテジー・アドバイザーズなどに出資している。
■日本クリエイティブ分野が主力
25年2月期の分野別の構成比は売上高がプロデュース51%、エージェンシー派遣34%、エージェンシー紹介11%、ライツマネジメント・他4%、売上総利益がプロデュース44%、エージェンシー派遣20%、エージェンシー紹介30%、ライツマネジメント・他6%だった。
報告セグメント別構成比は、売上高が日本クリエイティブ分野70%、韓国クリエイティブ分野6%、医療分野11%、会計・法曹分野5%、その他(IT分野のエージェンシー事業、新規事業など)8%、営業利益(調整前)が日本クリエイティブ分野70%、韓国クリエイティブ分野▲0%、医療分野30%、会計・法曹分野3%、その他▲2%、調整額▲1%だった。日本クリエイティブ分野の領域別構成比は売上高がゲーム37%、映像(テレビ・映画)32%、Web26%、電子書籍2%、新規エージェンシー3%、その他▲1%、営業利益がゲーム58%、映像25%、Web28%、電子書籍12%、新規エージェンシー▲7%、その他▲16%だった。
事業領域8カテゴリの構成比は、売上高がゲーム&ライツマネジメント29%、ブロードキャスティング&動画28%、プロモーション&マーケティング14%、メディカル&ヘルスケア11%、AI/DX・IT6%、プロフェッショナル・エージェンシー5%、Quality of Life5%、インキュベーション&デベロップメント5%、消去▲2%、営業利益がゲーム&ライツマネジメント42%、ブロードキャスティング&動画16%、プロモーション&マーケティング16%、メディカル&ヘルスケア30%、AI/DX・IT2%、プロフェッショナル・エージェンシー2%、Quality of Life2%、インキュベーション&デベロップメント1%、消去▲10%だった。
収益面では、医療分野の収益が季節要因で第1四半期と第2四半期(特に第1四半期)に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性がある。新規事業分野は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。
■プロフェッショナル50分野構想
中長期成長戦略として「プロフェッショナル50分野構想」を掲げ、グループ資産を活用した商品・サービス・プロジェクト開発や事業領域拡大を推進している。新中期経営計画では最終年度26年2月期の目標値に売上高600億円、営業利益50億円、営業利益率8.3%を掲げている。株主還元については配当性向目標を30%水準としている。
基本戦略としては、多岐にわたる専門分野を持つグループ会社が各事業の強みを伸ばしつつ、相互連携を通じてクライアントと社会に貢献する価値を創出する「連峰経営」を目指し、プロフェッショナル分野のさらなる深耕、プロフェッショナル人材をベースとしたプロデュース事業の展開、異分野のプロフェッショナルを掛け合わせたプロデュース事業の展開、C&Rグループの経営資産を組み合わせた事業承継・M&Aを推進する。M&A・アライアンスも積極活用して事業領域拡大戦略を加速する方針だ。
グループ資産を活かした商品・サービス・プロジェクトとしては、漫画家発掘・デジタル配信事業のプラットフォーム「漫画LABO」、クリニックの経営支援、メタバース関連のVR建築展示場「XR EXPO」、独自のVR映像配信技術を活用した低遅延VRリアルタイム配信システム・VR遠隔医療教育システム、AR胸腔ドレナージ(順天堂大学と医療ARを共同研究・開発中)、AI需要予測「Forecasting Experience」、事業承継・M&A事業、アパレル分野のDXを支援する「sture(ストゥーラ)」、漫画に音楽や音声を融合した動画「モーションコミック」(プラットフォーム開発中)などがある。
アグリカルチャー分野の子会社コネクトアラウンド(アグリテックを活用した新たな農業ビジネスを展開する目的で22年4月設立)は、23年2月に川崎市中原区で6次化農業・実習施設「FUN EAT MAKERS 武蔵新城」を開設した。また25年6月には福島県大熊町で農・食・滞在の複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」をオープンした。26年1月末には福島県大熊町の複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」の来場者数が1万人を突破した。
AI/DX分野の深耕では、24年3月に開始した中堅・中小企業向けAI/DX運用・オペレーション業務導入サポート「DXの森」が順調に拡大している。24年9月にはAIチャットボットの提供を開始、25年6月には生成AIのプロフェッショナルに特化した人材サービスの提供を開始した。
25年12月には日本最大級のクリエイティブ開発スタジオ「C&R Creative Studios」内にアニメ専門チームを組成した。国内AIアニメ制作のトップランナーであるPuriPrinceとの連携のもと、アニメ制作に課題を抱える企業に対して高品質なアニメ制作体制を提供する。26年2月には「C&R Creative Studios」のグローバル戦略の一環として、ゲーム開発分野における世界有数の外部開発サービスプロバイダーであるROOM 8 GROUPと両社の協業に関するLOI(意向表明書)を締結した。
■26年2月期増収増益・増配予想
26年2月期の連結業績予想については26年3月26日付で修正して、売上高が前期比21.9%増の613億円、営業利益が35.6%増の49億円、経常利益が32.1%増の48億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が82.1%増の41億円とした。
前回予想(25年4月10日付の期初公表値、売上高600億円、営業利益50億円、経常利益50億円、親会社株主帰属当期純利益32億円)に対して売上高を13億円上方修正、営業利益を1億円下方修正、経常利益を1億20百万円下方修正、親会社株主帰属当期純利益を9億円上方修正した。
売上高については日本クリエイティブ分野や医療分野を中心に順調に推移し、高橋書店グループも好調だった。営業利益と経常利益については、期初時点では計画していなかったクリエイティブスタジオ機能の増床・拡張を前倒しで進めるなど、ゲーム分野の先行投資の影響で計画を下回った。親会社株主帰属当期純利益については、高橋書店グループの株式取得時に計上した税金費用の減少や、連結子会社コネクトアラウンドにおける経済産業省「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」6億19百万円(特別利益に計上)により計画を大幅に上回った。
配当予想については期末5円上方修正して、前期比9円増配の50円(期末一括)とした。なお修正後の純利益から算出した配当性向は25.8%となるが、同社は連結配当性向30%水準を基本方針としており、今回の配当予想は修正後の純利益から特別利益に計上した「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」による影響額を控除した金額に基づいて修正した。
第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比19.5%増の455億51百万円、営業利益が26.2%増の37億68百万円、経常利益が21.7%増の37億23百万円、親会社株主帰属四半期純利益が高橋書店グループ連結化に伴う税金費用減少も寄与して52.5%増の30億98百万円だった。大幅増収増益で過去最高と順調だった。ゲーム、ブロードキャスティング、プロモーション、メディカルなどが伸長し、高橋書店グループ(第2四半期よりPL連結)も寄与した。
なお高橋書店グループの業績は、第2四半期(4~6月分を連結)が出版業界特有の商慣習によって出荷した商品の返品が集中する時期となるため営業損益が一時的に赤字となるが、第3四半期(7~9月分を連結)は手帳・カレンダーの出荷が本格化して売上高・営業利益とも大幅に増加する特性がある。参考値として高橋書店グループの業績は、第2四半期が売上高3億61百万円で営業利益4億57百万円の損失、第3四半期が売上高39億49百万円で営業利益7億62百万円だったため、高橋書店グループを除くベースでの同社の連結業績は売上高が前年同期比8%増収、営業利益が16%増収、経常利益が15%増益、親会社株主帰属四半期純利益が14%増益だった。
カテゴリ別で見るとゲーム&ライツマネジメントは売上高が18.1%増の131億42百万円で、営業利益が2.9%増の11億85百万円だった。大幅増収・小幅増益だった。営業利益はクレイテックワークスにおける先行投資の影響で伸び率が小幅にとどまったが、売上面は需要が全体として好調に推移したほか、バンダイナムコエンターテインメントとの合弁会社URS Gamesが25年4月より事業開始したこと、モントリオール支社を通じて海外から開発案件を受託したことも寄与した。
ブロードキャスティング&動画は売上高が3.0%増の109億02百万円で、営業利益が45.2%増の5億24百万円だった。増収・大幅増益だった。売上面はテレビ局向け人材派遣が堅調に推移し、営業利益は番組制作を行うシオンにおける採算改善も寄与した。
プロモーション&マーケティングは売上高が9.0%増の57億01百万円で、営業利益が15.2%増の4億85百万円だった。増収増益と順調だった。企業や官公庁のプロモーション需要が旺盛に推移した。
メディカル&ヘルスケアは売上高が8.9%増の47億61百万円で、営業利益が23.6%増の14億07百万円だった。増収・大幅増益で過去最高業績となった。医師紹介事業が順調に伸長した。
AI/DX・ITは売上高が9.0%増の23億65百万円で、営業利益が6.4倍の57百万円だった。増収・大幅増益だった。生成AIコンサルティングの大型案件受注が寄与した。ツールベンダー支援サービス「DXの森」では提携パートナーが順調に拡大した。
プロフェッショナル・エージェンシーは、売上高が3.0%減の19億59百万円で、営業利益が21.3%減の52百万円だった。減収減益だった。会計関連は復調傾向だが、法曹関連(弁護士)の人材紹介が低調だった。
Quality of Lifeは売上高が3.4%増の19億73百万円で、営業利益が31.1%減の41百万円だった。小幅増収ながら減益だった。インター・ベルのファッション分野や、本社ビルで運営するイタリアンレストランは概ね順調だったが、建築分野は資材高騰の影響等でプロジェクトが遅延した。
インキュベーション&デベロップメントは、売上高が4.5倍の57億47百万円で、営業利益が6.7倍の1億29百万円だった。高橋書店グループの業績が第3四半期より本格寄与した。なお高橋書店グループ以外は先行投資段階である。
なお報告セグメント別で見ると、日本クリエイティブ分野は売上高が10.9%増の291億69百万円で営業利益(全社費用等調整前)が15.2%増の21億37百万円、韓国クリエイティブ分野は売上高が9.7%減の21億02百万円で営業利益が19百万円の損失(前年同期は9百万円の損失)、医療分野は売上高が8.8%増の47億57百万円で営業利益が23.6%増の14億07百万円、会計・法曹分野は売上高が5.0%減の17億62百万円で営業利益が23.7%減の76百万円、CRES分野は売上高が43億67百万円(同18百万円)で営業利益が2億70百万円(同27百万円)、その他の事業は売上高が5.2%増の33億92百万円で営業利益が89百万円の損失(同1億13百万円の損失)だった。CRES分野は、事業承継・M&A等を展開するC&R EVERLASTING STORY(25年6月1日付でC&Rインキュベーション・ラボより社名変更)を中心に、高橋書店グループを含めた全6社で構成されている。その他の事業は新規事業等の18社で構成されている。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が138億39百万円で営業利益が14億21百万円、第2四半期は売上高が142億53百万円で営業利益が7億17百万円、第3四半期は売上高が174億59百万円で営業利益が16億30百万円だった。
26年2月期は先行投資の影響で営業利益と経常利益を下方修正の形となったが、27年2月期はゲーム、ブロードキャスティング、プロモーション、メディカルなどを中心に各事業が成長して収益拡大基調だろう。
■株主優待制度を導入
25年10月に株主優待制度導入を発表した。毎年2月末日時点で1単元(100株)以上保有株主に対して、同社の子会社である高橋書店の商品(カレンダー、手帳等の選択制)を贈呈する。26年2月28日対象より実施した。
■株価は反発の動き
株価は地合い悪化も影響して軟調だったが、業績・配当修正を好感する形で反発の動きを強めている。出直りを期待したい。4月2日の終値は1423円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS193円76銭で算出)は約7倍、前期推定配当利回り(会社予想の50円で算出)は約3.5%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS750円70銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約327億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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