巴工業、26年10月期売上高3期連続・営業利益6期連続の過去最高更新へ、需要高水準が寄与

2026年3月25日 07:56

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 巴工業<6309>(東証プライム)は遠心分離機械などの機械製造販売事業、および合成樹脂などの化学工業製品販売事業を展開し、成長戦略として海外事業拡大、収益性向上、資本効率改善などに取り組んでいる。新中期経営計画(26年10月期~28年10月期)では、配当方針を「DOE5%を下限として連結配当性向50%以上」としている。3月17日にはバイナリー発電装置をはじめとする低温廃熱活用分野における事業領域拡大構想をリリースした。26年10月期は増収増益・増配予想としている。需要が高水準に推移して販管費増加を吸収する見込みだ。第1四半期は人件費増加などにより減益だったが、通期ベースでは積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化の影響で2月の最高値圏から急反落の形となったが、高配当利回りなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開

 遠心分離機械などを中心とする機械製造販売事業、および合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を展開している。経済成長が見込まれるインド市場への展開に向けて、25年11月に機械製品および部品の販売を目的とする現地法人TOMOEKOGYO ENGINEERING INDIA PRIVATE LIMITEDを設立(営業開始は26年初頭予定)した。

 なお27年10月(予定)には神奈川県綾瀬市に新綾瀬工場(仮称)の稼働を予定している。遠心分離機の板金溶接加工を行う巴マシナリーを移転する。総投資額は約52億円の見込みである。そして25年11月には、経済産業省が実施する中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金において当該新工場建設が採択された。13.5億円の補助金を受領する。

 25年10月期セグメント別業績は、機械製造販売事業の売上高が152億38百万円で営業利益が18億44百万円、化学工業製品販売事業の売上高が441億27百万円で営業利益が35億08百万円だった。

 機械製造販売事業の需要先別売上高は国内官需59億15百万円、国内民需49億41百万円、海外43億81百万円、製品別売上高は機械38億81百万円、装置・工事24億85百万円、部品・修理88億71百万円だった。化学工業製品販売事業の製品別売上高は合成樹脂関連36億19百万円、工業材料関連65億10百万円、鉱産関連139億15百万円、化成品関連104億83百万円、機能材料関連52億27百万円、電子材料関連43億68百万円、その他(洋酒等)2百万円だった。

 収益面の特性として、機械製造販売事業は設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高い傾向がある。

■中期経営計画

 新中期経営計画「Create The New Future ~新たな未来の創造~」(26年10月期~28年10月期)では、最終年度28年10月期の経営目標値として、売上高700億円(化学品500億円、機械200億円)、営業利益70億円(化学品42億円、機械28億円)、経常利益70億円、親会社株主帰属当期純利益50億円、ROE10.5%を掲げている。

 重点施策として、化学工業製品販売事業では専門商社としての強みや特色を活かした営業活動による利益の最大化、海外事業の拡大、ポートフォリオ戦略、新商品開発を推進する。具体的には、利益の最大化では売上総利益1億円以上の商材拡充による業績安定化と更なる成長、海外事業の拡大ではタイ・ベトナム・マレーシアにおける現地法人との連携による東南アジアでの事業拡充、チェコを拠点としたパワー半導体向け商材を中心とする欧州市場での拡販、耐火物向け商材を中心とするインド市場の開拓、ポートフォリオ戦略ではポートフォリオ分析に基づく高収益事業への経営資源投入による成長加速と課題事業の収益改善、新商品開発では収益拡大に寄与する新商品開発に対する取り組み、新たな分野への進出による事業領域拡大と収益基盤の多様化を推進する。部署別の取り組み方針としては、化成品関連では半導体・電子材料用途の拡販、工業材料関連ではファインセラミックス等の高付加価値商材の開発と海外販売の拡大、鉱産関連では高付加価値商材・ニッチ市場商材の取り扱い拡大、機能材料関連ではAI用データセンター向けGaN等の次世代半導体市場での商圏確立、電子材料関連では半導体市況の影響を受けにくい新規商材開発・取引先開拓、合成樹脂関連では輸入樹脂の取引先開拓やリサイクル樹脂の拡販強化に注力する。

 機械製造販売事業では第一の柱として海外事業の拡大、第二の柱としてバイナリー発電装置の販売促進による事業基盤の確立、第三の柱として機械商社としての機能強化による取り扱い製商品の拡充を推進するほか、研究・開発-生産-販売体制構築を推進する。具体的には海外事業の拡大ではインド市場開拓、東南アジア販売ネットワーク構築、米国・中国の一層の深耕によって販売体制を構築するほか、新工場建設によって生産能力を50%増強する。バイナリー発電装置の販売促進では焼却炉や産業排熱分野に注力する。取り扱い製商品の拡充では超低温ベルト乾燥機や環境関連製品など環境負荷軽減につながる製商品を拡充する。

 なお3月17日に、機械製造販売事業の重点施策「第二の柱、バイナリー発電装置の販売促進による事業基盤の確立」推進の一環として、250°C未満の低温廃熱活用分野における事業領域拡大構想をリリースした。従来の30kWバイナリー発電装置に加え、新たに(1)第一実業<8059>からアクセスエナジー社(米国)製タービン発電機を組み込んだ125kWバイナリー発電装置の日本国内における独占的製造権および独占的販売権の譲受、カルネティクステクノロジーズ社(米国、アクセスエナジー社の親会社)との技術ライセンス契約によるバイナリー発電装置の中核技術であるタービン発電機に関する技術導入、(2)マックスワット社(インド)の蒸気発電装置に関する国内独占販売権の獲得、(3)熱交換器の新規取り扱い開始により製品ラインナップを拡充し、新たな販売体制を構築した。このバイナリー発電装置事業を、同社機械事業の主力であるデカンタ型遠心分離機に匹敵する売上高規模へ成長させることを目指す。

 サステナビリティ経営に関しては基本方針を、継続的な技術革新・既存商品の性能向上・新規用途開発への取り組みによる持続可能な成長実現、社会的課題解決に資する事業の推進による持続可能な社会の実現と企業価値向上、働きやすい職場環境作りと推進と全てのステークホルダーに対する社会的責任の遂行としている。なお人的資本経営に関しては、女性総合職比率8%以上を目指す。また賃金ベースアップについては、本中期経営計画期間中(26年~28年)は年5%以上の賃金ベースアップを継続するほか、新工場建設に伴う経済産業省からの補助金事業実施期間中(28年~30年)においても年5%以上の賃金ベースアップを継続する予定だ。

 資本コストや株価を意識した経営については資本効率向上を追求し、28年10月期にROE10.5%とPBR1.5倍を目指す。株主還元については、これまで株主還元指標としていた配当性向目標40%を50%に引き上げるとともに、これまで以上に安定的な配当を実現するため新たな配当方針としてDOE(株主資本配当率)を導入し、本中期経営計画期間中の配当方針を「DOE5%を下限とし、連結配当性向50%以上」としている。

■26年10月期増収増益・増配予想

 26年10月期の連結業績予想は売上高が前期比6.5%増の632億円、営業利益が7.4%増の57億50百万円、経常利益が6.8%増の57億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.1%増の42億円としている。売上高は3期連続過去最高更新、営業利益と経常利益は6期連続過去最高更新の見込みである。配当予想は年間72円(第2四半期末36円、期末36円)としている。前期(株式3分割換算後)比11円67銭増配で、予想配当性向は50.4%となる。

 セグメント別の計画は、機械製造販売事業の売上高が前期比14.2%増の174億円で営業利益が12.8%増の20億80百万円、化学工業製品販売事業の売上高が3.8%増の458億円で営業利益が4.6%増の36億70百万円としている。機械製造販売事業の需要先別売上高は国内官需が2.3%増の60億53百万円、国内民需が6.7%増の52億72百万円、海外が38.6%増の60億74百万円、製品別売上高は機械が47.0%増の57億07百万円、装置・工事が25.8%減の18億45百万円、部品・修理が11.0%増の98億46百万円、化学工業製品販売事業の製品別売上高は合成樹脂関連が12.5%増の40億70百万円、工業材料関連が3.3%増の67億25百万円、鉱産関連が14.0%減の119億65百万円、化成品関連が12.5%増の117億90百万円、機能材料関連が24.4%増の65億05百万円、電子材料関連が7.7%増の47億05百万円としている。

 第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比1.6%増の153億33百万円、営業利益が6.8%減の16億72百万円、経常利益が6.5%減の16億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が10.3%減の11億10百万円だった。売上面は概ね堅調だったが、利益面は人件費の増加などにより減益だった。

 機械製造販売事業は、売上高が5.6%増の45億12百万円、営業利益が横ばいの8億58百万円だった。売上高の内訳は、需要先別には国内官需が44.7%増の20億61百万円、国内民需が27.1%減の9億98百万円、海外が1.9%減の14億52百万円、製品別には機械が14.8%減の10億72百万円、装置・工事が26.9%減の4億80百万円、部品・修理が25.5%増の29億59百万円だった。売上面は国内民需、海外向け機械および部品・修理が低調だったが、国内官需および海外向け部品・修理が伸長し、全体としても増収だった。利益面は人件費の増加などにより横ばいだった。

 化学工業製品販売事業は、売上高が横ばいの108億20百万円にとどまり、さらに人件費の増加なども影響して営業利益が13.0%減の8億14百万円だった。製品別の売上高は、合成樹脂関連が解散を決議した中国子会社の操業停止の影響などにより26.7%減の7億24百万円、工業材料関連が建材・耐火物向けの好調などにより10.6%増の18億31百万円、鉱産関連が樹脂向け添加剤の伸長などにより3.2%増の31億17百万円、化成品関連が1.4%減の27億32百万円、機能材料関連が半導体製造用途向け材料の伸び悩みで7.6%減の12億10百万円、電子材料関連が半導体組立用途向け材料の伸長などにより8.6%増の11億57百万円だった。その他(洋酒等)は47百万円(前年同期は0百万円)だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(25年12月11日付の期初公表値)を据え置いている。需要が高水準に推移し、販管費の増加を増収効果で吸収する見込みだ。第1四半期は人件費増加などにより減益だったが、通期ベースでは積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度はワインを贈呈

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は、毎年10月末時点で200株以上を継続して1年以上保有している株主を対象に、保有株式数に応じてワインを贈呈(200株以上600株未満はワイン1本、600株以上はワイン2本)を贈呈する。

■株価は調整一巡

 株価(25年5月1日付で株式3分割)は地合い悪化の影響で2月の最高値圏から急反落の形となったが、高配当利回りなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。3月24日の終値は1849円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS142円77銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の72円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1427円68銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約554億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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