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なぜトランプ大統領は「TACO取引」を止めないのか
グリーンランド領有に際し、アメリカの行動に反対する欧州各国に10%の追加関税を表明したトランプ米大統領は、数日にしてその措置を撤回し、再び国際社会を呆れさせた。
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何回も同じことを繰り返せば、オオカミ少年として認定されるだろう。なぜトランプ大統領はこのような「TACO取引」を止めないのだろうか。
■止めないのではなく「止められない」のでは
TACO(Trump Always Chickens Out)取引は、トランプ大統領を揶揄する言葉で、1度「ふっかけた」主張を引っ込め、適度な妥協点に持っていく同氏の外交手法を指している。もちろん賞賛としての意味ではない。この手法は最初のインパクトが強い分、株式市場を混乱させ、また交渉相手の態度を硬化させている。
なぜ大統領はこんな「幼稚な手段」を止めないのだろうか。考察するうえで考えたいのは、どこまでが大統領自身、もしくは政権幹部の「意志か」という点だ。同氏を神輿に担ぎながら、2026年秋の中間選挙を迎える共和党がイニシアティブを握っている可能性もある。
共和党はトリプル・レッド(大統領・上院多数・下院多数)を抑えている状況だ。つまり、中間選挙で民主党が勝者となるには、よほどの勢力さをつけて勝利しなければならない。一方で共和党の勝利の理由が岩盤支持に代表される「トランプ頼み」だとすると、意味合いは異なる。共和党の勝利のために、トランプ氏はいつまでもトランプ氏らしくいてくれという話になる。
大統領としての再選が無いトランプ氏自身は(任期は最大2期まで)、レームダックどころか、これから最後の2年をこのスタンスで貫き通すかもしれない。
その背後に何があるかということを常に考えるようにしたい。そして任期満了が訪れて彼自身が退場しても、アメリカはその後「ふっかけたツケ」を支払い続けなければならないだろう。それは世界にとっても、きわめて損失の大きな展開であることは間違いない。(記事:株式会社FP-MYS 工藤 崇・記事一覧を見る)
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