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エーザイの原点は、創業者の英語力と時代への即応性
エーザイ(4523、東証プライム)。投資家が着目しているのは、認知症薬(レケンビ)&抗がん剤(レンビマ)。12月9日発信の最新ニュースリリースも『早期アルツハイマー病治療薬「レケンビ」、中国において商業健康保険の革新的医薬品に収載』、と題するもの。
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会社四季報(前号)材料欄も【中国】の見出しで、「肝細胞がん患者数が世界最大の中国で、7月にレンビマの適用範囲拡大。レケンビは4月のEUでの承認取得で今期は独に加え仏、スペインで発売予定」としている。
本稿作成中の株価は4600円台半ば水準。予想税引き後配当利回り2.8%余。9月高値5349円から15%方下値水準。IFIS目標平均株価は算出者11人中3人強気/中立7人/弱気1人と見方が分かれ、4873円。新たな好材料待ちの様相。
アナリストの面々のこんな解説も時節柄、興味深く聞いた。「件のトランプ関税。中国の代理店では対応策とし、在庫を積み貸している。利益増に貢献」。
レケンビで米国バイオジェンとレンビマで米メルクと国際協業体制を執っている。その相関図が収益に影響することも。が今3月期は「0.1%増収(7900億円)、0.2%営業増益(545億円)」計画としっかり。
認知症・MCI(軽度認知症)の治療薬市場に関し、マーケット調査会社の老舗:富士経済は『2024年以降ほぼ毎年2桁成長 32年に2000億円突破と予想』と題するレポートを24年末に発信。具体的に「成長ドライバーとしレケンビ(23年12月)やケサンラ(日本イーライリリー、24年11月発売)」を挙げ、かつ「承認申請中からフェイズIIまで開発商品がある」とし「30年までの市場拡充は年率2桁台が続く」としている。
そんなエーザイの原点は1911年(明治44年)~1937年(昭和12年)の、創業前史に求められる。創業者:内藤豊次の経歴を紐解く。15歳にして大阪の貝ボタン工場で社会に踏み出した豊次の武器は「(義兄から学んだ)英語力」と兵役時代の「衛生士の仕事」。兵役を終えた後、ドイツの企業に職を求め輸入医薬品と携わった。
第一次世界大戦勃発。輸入(医)薬品に依存していた日本は大混乱に陥った。こうした経緯が、創業者をして日本の新薬開発を志した「桜が岡研究所」に至った。開発した商品には「ユベラ(日本初のビタミンE剤)」「カスタロール(赤痢時の子供用/芳香ひまし油)」などが、語り継がれている。
その線上に、エーザイはある。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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