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マスク氏がテスラ株を大量購入、その狙いは?

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●マスク氏がテスラ株を大量購入
米電気自動車(EV)大手テスラのCEOイーロン・マスク氏が、10億ドル相当(約1,470億円)のテスラ株を取得したことが、当局に提出された文書で15日に明らかになった。マスク氏の公開市場でのテスラ株購入は、2020年初頭以来となる。
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マスク氏のテスラ株購入を受けて、市場からテスラ株への買いが入り、前週末終値で一時8%急騰した。
自動車事業が伸び悩む中、ヒト型ロボット「オプティマス」にも注力しており、その旗振り役としてマスク氏が影響力を強めることが期待されている。
●テスラが注力するAI投資とロボット開発
テスラはEVだけでなく、FSD(フルセルフドライビング、自動運転)の開発に注力しており、2024年末にはFSDのバージョン13を北米でローンチしている。
FSDを含めたロボタクシー、人型ロボットなど、AI分野への投資も加速させている。
マスク氏は、「自動車のために開発されたAI技術は、ヒューマロイド・ロボットにも活用できる」と述べており、「世界最大のロボットメーカー」を自称している。
一方、テスラの自動車事業は伸び悩んでおり、上期の世界販売は13%減少。このままでは2年連続の年間マイナスになる見通しである。
●株式購入の狙いは?
テスラのロビン・デンホルム会長は、AI・ロボット工学への転換を主導できるのはマスク氏しかいないとの認識を示している。スペースXやニューラリンク、過去にはSNSのXなど、様々な企業のCEOを務めているマスク氏の関心を、テスラに引き留める狙いもありそうだ。
マスク氏自身も、持ち株比率を上げて影響力を強めたいとの狙いもある。取締役会は、EVやロボタクシーの販売、事業拡大などの目標達成により、1兆ドル(147兆円)の報酬をマスク氏に与える提案をしている。
これらの目標達成に自信を示すことも、今回の購入の狙いともみられる。株価の押し上げにも貢献したことから、マスク氏への期待は高い。
オプティマスは、2026年から一般への販売を目指している。EV市場全体に陰りが見えている今、ロボット事業でテスラが再び存在感を見せるかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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