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メルカリが「メルカリモバイル」開始、その勝算は?
(画像: メルカリの発表資料より)[写真拡大]
●メルカリがモバイル事業に参入
フリマアプリの大手メルカリがMVNO事業に参入し、3月4日から新たなサービス「メルカリモバイル」の提供を開始した。
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フリマアプリメルカリを通じて簡単に申し込みや日々の管理まで完結でき、データ通信量を個人間で売買できる機能が特徴である。
2月には10~12月の営業利益が上振れたことが好感され、株価が一時ストップ高となった。スキマバイト「メルカリハロ」やスマホ決済サービス「メルペイ」などの全事業での改善が見られたことが好感された。
モバイル事業参入でメルカリのさらなる発展はあるのだろうか?
●メルカリモバイルの特徴
料金プランは月額990円(2GB)と2390円(20GB)の2種類あり、docomo回線を利用した音声・SMS・データ通信サービスを提供している。
2GBで990円という価格は、楽天モバイルやLINEモバイルなどと比べても特別に安いという感覚は無いが、余ったギガを個人間で取引できることが大きな強みである。
メルカリの調査では、月々のギガが余っても「特に何もしていない」「繰り越しているが、結局余る」と答えた消費者が約75%で、ギガを持て余している人が圧倒的に多い。
ギガを売って得られたお金はメルカリの残高にチャージされ、メルペイで買い物にも利用することができるなど互換性が高い。
●メルカリはもはやフリマアプリの会社ではない?
メルカリの株価は、今年に入るまで下落傾向にあった。
その背景には、コスト増加や、フリマアプリの過当競争、業績の伸び悩みがある。
グローバル展開や新規事業への投資が嵩み、新規事業の赤字が業績を圧迫していた。ヤフオクやラクマ、PayPayフリマなどの国内の競争だけでなく、ebayやFacebookMarketplaceなど海外勢との競争もある。
メルカリは、フリマアプリとしての競争優位性が失われつつあり、他の事業への進出がカギを握る。
モバイル事業は、楽天モバイルのように基地局建設に多額の費用を投じる必要は無く、グループ全体の収益を圧迫することもなさそうで、市場としては、今のところマイナス材料とは受け取っていない。
メルカリ経由であるため、メルカリ利用者がこのサービスにどこまで魅力に感じるかにかかっているだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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