札幌駅前の再開発、タワー棟完成を2034年度に延期 JR北海道が正式発表

2025年3月21日 13:00

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両街区一体で整備が計画されていたJR札幌駅前再開発プロジェクト(JR北海道発表資料より)

両街区一体で整備が計画されていたJR札幌駅前再開発プロジェクト(JR北海道発表資料より)[写真拡大]

 JR北海道などが計画しているJR札幌駅前再開発プロジェクト(札幌市中央区北5条西)で、遅くとも2030年度を目指していた全体の完成目標時期が、2034年度にずれ込む見通しとなった。JR北海道の綿貫泰之社長が記者会見で正式発表したもので、バスターミナルや一部商業施設は予定通り2030年度に先行開業する。

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 再開発は2023年8月で閉業した札幌駅南口の商業施設「札幌エスタ」跡地など北5西1・西2地区に、JR北海道グループと札幌市などが高さ245メートル、地下4階、地上43階建て延べ約39万平方メートルの大型複合施設を整備する計画。北海道新幹線の札幌延伸に合わせて遅くとも2030年度の完成を目指していた。

 しかし、北海道新幹線の札幌延伸がトンネル工事の遅れなどから、2038年度末にずれ込む見込みとなり、整備を急ぐ必要がなくなった。さらに昨今の工事費高騰で、建設費が当初計画の2倍強に当たる約3,700億円に膨れ上がったうえ、建設作業員不足が深刻さを増していることを考慮して計画内容を見直し、両街区一体の施設を街区ごとの2施設とする。

 西2丁目の施設は地下2階、地上10階建て延べ約9万平方メートルで、バスターミナルと商業施設が入る。2027年度から工事に入り、2030年度の完成を目指す。西1丁目のタワー棟は米ホテル大手「マリオット・インターナショナル」の最高級ブランドを誘致し、オフィスや商業施設などが入る構想。2030年度に着工し、2034年度完成を目標とする。

 今後、施設内容の詳細設計を詰めることになるが、街づくりの基本的な考え方や導入施設に大きな見直しはない方向。両施設は歩行者ネットワークで接続し、札幌駅前のにぎわいに貢献することを目指す。駅前南口広場と施設をつなぐ駅前広場アトリウムも整備する。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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