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タスキホールディングス:不動産仕入・開発SaaS市場で国内トップを目指す、配当利回り4%超え
*11:51JST タスキホールディングス:不動産仕入・開発SaaS市場で国内トップを目指す、配当利回り4%超え
タスキホールディングス<166A>は、2024年4月1日付で共同株式移転の方法により、株式会社タスキと株式会社新日本建物の両社の共同持株会社として設立された。また、資産コンサルティングベンチャーの株式会社オーラを子会社化している。
事業セグメントは、IoTレジデンスの企画・開発・販売や中古物件の取得・販売を行うLife platform事業を中心に、ベンチャー不動産事業者向けに不動産担保ローンを提供するFinance Consulting事業や不動産業界のDX化を推し進めるSaaS事業(非連結)を展開している。また、Life Platform事業の中でも、IoTレジデンス(タスキ、新日本建物)、リファイニング(タスキ)、資産コンサルティング(オーラ)、その他に分類されている。経営統合・M&Aにより事業ポートフォリオは多角化しており、販売価格は3億円から50億円と幅広い物件を開発・販売できる。顧客層も個人投資家だけでなく、事業会社や機関投資家まで広がっている。
2024年9月期の売上高は47,455百万円、EBITDAは5,478百万円、営業利益は4,065百万円で着地した(2024年9月期は変則決算となり、新日本建物は6ヶ月分、オーラは5ヶ月分を取り込み)。2024年9月期第4四半期においてはタスキのIoTレジデンス販売が特に好調で竣工済み物件はすべて売却が完了、グループ全体での販売件数は39件と過去最高を記録した。海外投資家からの購入意欲も依然として高い傾向にあるという。オーラは資産コンサルティングを手掛ける中で取得する物件を計上した。また、プロジェクトパイプラインの獲得状況(仕入)では、タスキが95件(達成率97.9%)で、新日本建物が45件(同80%)と順調にパイプラインを獲得した。SaaS事業は、導入社数KPIの100社を達成し、大手企業にも導入が広がった。2025年9月期の売上高は前期比60.2%増の76,000百万円、EBITDAは同62.5%増の8,900百万円、営業利益は同112.8%増の8,650百万円を見込んでいる。
同社は中期経営計画を開示しており、2027年9月期の連結売上高100,000百万円、EBITDA 13,650百万円、営業利益13,150百万円、当期純利益7,200百万円を目標としている。また、2033年9月期の連結売上高を200,000百万円、SaaS事業導入企業数を1,500社とするビジョンも掲げている。既存ビジネスの強化では、タスキHDにグループDX戦略研究部を設置し、グループ全体でのDX化・生産性向上を促進していく。また、仕入を中心とした即戦力の採用を強化して2027年9月末には100名の仕入人員を確保するほか、東京23区の売上高20~30億円規模の中小不動産企業のM&Aも検討している。さらに、SaaS事業のARR最大化にも注力するようで、「TASUKI TECH LAND」の導入企業数を2027年9月期に470社、ARR12億円を目指す。月額ARPUは現在の3万円から21万円にオプション機能の拡充やTOUCH&PLANのアカウント課金により向上させていく。これにより、不動産仕入・開発SaaS市場で国内トップを目指していく。
同社は現時点でプライム市場への市場変更の形式要件を満たしており、最短で2026年9月期のプライム上場を目指している。また、累進配当を基本として非資金取引(M&Aに伴うのれんの償却額等)を除く1株当たり当期純利益の35%以上の配当性向を掲げており、業績好調ななか配当利回りは4%を超えている。経営統合後の史上最高値を更新している同社の中長期的な成長には注目しておきたい。《NH》
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