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為替週間見通し:もみ合いか、米9月利下げ観測も株価にらみ
*14:38JST 為替週間見通し:もみ合いか、米9月利下げ観測も株価にらみ
【今週の概況】
■米大幅利下げ観測後退で円売り強まる
今週のドル・円は強含み。日本銀行による年内追加利上げの可能性はあるものの、日米株式相場の堅調地合いや9月の大幅利下げ観測の後退を受けてリスク選好的な米ドル買い・円売りが強まり、8月15日の欧米市場で149円台前半まで米ドル高円安に振れる場面があった。この日発表された7月米小売売上高は市場予想を上回る伸びとなったこと、新規失業保険申請件数の減少がドル上昇を促した。ただ、16日の東京市場では日銀による年内追加利上げの思惑がやや強まり、米ドル・円は一時148円台後半まで値を下げた。
16日のニューヨーク外為市場でドル・円は147円57銭まで反落した。ボストン地区連銀のコリンズ総裁が「データが予想通りとなった場合、近く緩和が開始されることが適切になる」との発言を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による9月利下げへの期待が高まり、リスク選好的な米ドル買い・円売りは縮小。米ドル・円は147円61銭でこの週の取引を終えた。
・ドル・円の取引レンジ:146円08銭-149円39銭
【来週の見通し】
■もみ合いか、米9月利下げ観測も株価にらみ
来週のドル・円はもみ合いか。直近発表の米生産者物価指数(PPI)と米消費者物価指数(CPI)は前回から低下し、インフレ鈍化が顕著になったが、直近の小売売上高と新規失業保険申請件数は予想よりも強く、7月雇用統計の悪化を受けた米国経済の減速懸念は後退した。景気減速懸念は払拭されつつあることから、9月以降の大幅利下げを想定したドル売り・円買いは縮小した。世界的に株価が持ち直し、目先的にはリスク選好の円売りが見込まれる。
一方、8月21日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が早期利下げに前向きな内容だった場合、リスク選好的なドル買いは縮小する可能性がある。さらにFRB当局者が早期の金融緩和に理解を示す見解を表明すれば、年内2回以上の利下げを想定したドル売りが増える可能性がある。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(8月21日公表予定)
FRBは8月21日、7月30-31日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表する。市場観測に沿ったハト派スタンスなら早期・大幅利下げ観測により、ドル売り要因に。
【ジャクソンホール会合】(8月22-24日開催予定)
米カンザスシティ連銀がワイオミング州ジャクソンホールで毎年開催する国際的な経済シンポジウム。2024年は「金融政策の有効性と伝達の再評価」がテーマで、米9月利下げが明示されるかが焦点となる。
ドル・円の予想レンジ:145.00円-150.00円《FA》
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