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9日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で3日続伸、不動産セクターに買い
*18:00JST 9日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で3日続伸、不動産セクターに買い
9日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比198.40ポイント(1.17%)高の17090.23ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が76.38ポイント(1.29%)高の6017.85ポイントと3日続伸した。売買代金は880億6960万香港ドルに縮小している(8日は1028億3660万香港ドル)。
米株高を好感した買いが先行する流れ。昨夜の米株市場では、過度な米景気懸念が後退し、主要株価指数が軒並み急反発した。中国経済対策に対する期待感も持続。中国の内需不振が懸念される中、当局は追加の景気テコ入れ策を速やかに打ち出すとの見方が広がっている。
一方、寄り付き直後に公表された7月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.5%(市場予想0.3%、前月0.2%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス0.8%(同マイナス0.9%、同マイナス0.8%)という結果だった。企業活動の目安となるPPIはマイナスが続いたものの、CPIが予想を上回る伸びを示したため、市場の一部からは内需が持ち直しつつあると指摘されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が5.4%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.9%高、アルミ産業の中国宏橋集団(1378/HK)が4.3%高と上げが目立った。SMICについては、業績回復の期待感が先行している。4〜6月期決算は6割減益だったものの、売上高や粗利益率はガイダンスを上振れた。また、前四半期比では129%増益となっている。
セクター別では、中国の不動産が高い。世茂集団HD(813/HK)が8.6%、中国奥園集団(3883/HK)が5.5%、合景泰富地産HD(1813/HK)が4.0%ずつ上昇した。政策支援の動きが引き続き材料視されている。深セン市政府は7日、売れ行き不振の商品住宅を買い取り、低・中所得層向けの「保障性住宅」に転用すると発表。市場で期待されている「住宅在庫の買い上げ」は、これから本格化すると予想されている。
自動車セクターもしっかり。上記した理想汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が3.7%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.2%高、蔚来集団(9866/HK)が3.1%高で引けた。
スポーツ用品や食品など消費セクターも物色される。361度国際(1361/HK)が3.3%高、安踏体育用品(2020/HK)が2.1%高、統一企業中国HD(220/HK)が2.9%高、康師傅HD(322/HK)1.5%高で取引を終えた。
半面、通信セクターは安い。キャリア大手3社の中国電信(728/HK)が3.9%、中国聯通(762/HK)が3.8%、中国移動(941/HK)が1.3%ずつ下落した。中国移動が公表した中間決算は5%増益で、配当の増額も予定されたが、主力の個人向け事業が苦戦したことを売り材料視している。
一方、本土市場は4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.27%安の2862.19ポイントで取引を終了した。通信株が安い。医薬株、消費関連株、公益株、運輸株、半導体株の一角なども売られた。半面、不動産株は高い。銀行株、エネルギー株、非鉄・産金株も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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