後場に注目すべき3つのポイント~半導体株が弱く上値の重い展開に

2024年7月17日 12:17

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記事提供元:フィスコ

*12:17JST 後場に注目すべき3つのポイント~半導体株が弱く上値の重い展開に
17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は小幅続伸、半導体株が弱く上値の重い展開に
・ドル・円は伸び悩み、国内勢の買い一巡で
・値上り寄与トップは信越化学工業<4063>、同2位はテルモ<4543>

■日経平均は小幅続伸、半導体株が弱く上値の重い展開に

日経平均は小幅続伸。前日比32.28円高(+0.08%)の41307.36円(出来高概算8億2000万株)で前場の取引を終えている。

16日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は742.76ドル高(+1.85%)の40954.48ドル、ナスダックは36.77ポイント高(+0.20%)の18509.34、S&P500は35.98ポイント高(+0.64%)の5667.20で取引を終了した。予想を上回った小売売上高を好感した買いに寄り付き後、上昇。ダウは成長や消費への期待に加え、ユナイテッドヘルスの上昇がけん引し大幅続伸、終日堅調に推移した。ナスダックはローテーション絡みの売りに押され、一時下落に転じたが終盤にかけプラス圏を回復。ダウは連日で過去最高値を更新し終了した。

NYダウの大幅高などトランプラリー継続を受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始した。日経平均は41400円台でスタートしたが、エヌビディア下落で値がさ半導体株も下落したことから上げ幅を徐々に縮小。不動産や建設、証券株など内需系の銘柄が買われたことで相対的にTOPIXが強かったほか、グロース市場など中小型株優勢の地合いとなった。

日経平均採用銘柄では、好業績を材料に東宝<9602>、レゾナック<4004>が買い優勢となったほか、引き続きトランプラリーが意識されて川崎重<7012>、三菱重<7011>など防衛関連の一角が買われた。また、キャタピラーの上昇を受けて、コマツ<6301>が買われて上場来高値を更新し、日立建機<6305>も上昇。このほか、野村<8604>、日立造船<7004>、住友重<6302>、日揮ホールディングス<1963>が買われた。

一方、レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>、スクリーンHD<7735>、アドバンテスト<6857>など半導体株の一角が弱い。また、TDK<6762>、村田製作所<6981>などアップル関連もさえない。このほか、オムロン<6645>、荏原製作所<6361>、T&Dホールディングス<8795>が売られた。

業種別では、繊維製品、不動産業、精密機器、建設業、機械などが上昇した一方、その他製品、電気機器、保険業の3セクターのみ下落した。

為替は1ドル158円40銭台と目立った動きは観測されず。政府・日本銀行と見られる連日の円買いドル売り介入実施を受けて、積極的な円売りは手控えられている。後場の東京市場は、日経平均が前日比マイナス圏に突入する場面もありそうだが、防衛関連やインフラ関連銘柄が下支えとなり、下げ幅拡大は回避されよう。日経平均は41300円水準でのもみ合いを想定する。

■ドル・円は伸び悩み、国内勢の買い一巡で

17日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み、158円62銭まで上昇後はやや値を下げた。米10年債利回りの上昇一服で、ドル買いはいったん収束。また、仲値にかけて国内勢によるドル買いが強まったが、その後の買い一巡で上値の重さが目立っている。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は158円30銭から158円62銭、ユーロ・円は172円53銭から172円83銭、ユーロ・ドルは1.0895ドルから1.0906ドル。

■後場のチェック銘柄

・コージンバイオ<177A>、Chordia Therapeutics<190A>など、7銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上り寄与トップは信越化学工業<4063>、同2位はテルモ<4543>

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・NZ・4-6月期消費者物価指数:前年比+3.3%(予想:+3.4%、1-3月期:+4.0%)

【要人発言】

・トランプ前米大統領
「11月の本選で勝利の場合、FRB議長の任期途中での辞任を求めない」
「財務長官にダイモンJPモルガンCEOの起用を検討」

<国内>
・特になし

<海外>
・15:00 英・6月消費者物価指数(前年比予想:+1.9%、5月:+2.0%)
・15:00 英・6月生産者物価指数・産出(前年比予想:+1.8%、5月:+1.7%)《CS》

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