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11日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で続落、東方海外9.4%下落
*18:00JST 11日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で続落、東方海外9.4%下落
休場明け11日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比190.61ポイント(1.04%)安の18176.34ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が58.31ポイント(0.90%)安の6452.06ポイントと続落した。売買代金は1398億640万香港ドルとなっている(7日は1331億1170万香港ドル)。
前週末の軟調地合いを継ぐ流れ。7日に公表された5月の中国輸出入統計で、米ドル建て輸入が8.4%増から1.8%増に大幅鈍化するなど(予想は4.3%増)、中国内需の低迷が警戒されている。米中の指標発表も気がかり。米国では日本時間12日夜に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果、13日未明に5月の米消費者物価指数(CPI)などが発表される。中国では12日に5月の物価統計が公表される予定だ。結果を見極めたいとするスタンスも、買い手控えにつながっている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が9.4%安、アルミ産業の中国宏橋集団(1378/HK)が6.7%安、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が4.2%安と下げが目立った。
セクター別では、海上輸送やコンテナリース・生産の海運関連が安い。上記した東方海外のほか、中遠海運HD(1919/HK)が12.9%、中遠海運能源運輸(1138/HK)と中国国際海運集装箱(2039/HK)がそろって12.8%、中遠海運発展(2866/HK)が7.8%ずつ下落した。海上運賃の不透明感がネガティブ。中東地域の地政学リスクがやや薄らぐ中、上海上場の欧州向けコンテナ海上運賃先物は11日、一部の限月でストップ安している。イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザで戦闘を激化させていることに関し、国連安全保障理事会(安保理)は10日、バイデン米大統領が公表した停戦案を支持する決議を採択した。
非鉄・産金セクターも急落。前記した中国宏橋集団のほか、中国アルミ(2600/HK)が5.1%安、江西銅業(358/HK)が4.7%安、招金鉱業(1818/HK)が10.3%安、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.9%安で取引を終えた。商品市況安が逆風。11日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、アルミや銅など主要産品が安く推移している。また、昨夜のNY金先物は0.1%反発したが、先週7日は3%近く下げた。金相場については、中国人民銀行(中央銀行)が5月に「金」保有量の拡大を19カ月ぶりに見送ったと判明したことも嫌気されている。
半面、半導体セクターは逆行高。ASMPT(522/HK)が4.8%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.4%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が1.1%、華虹半導体(1347/HK)が0.9%ずつ上昇した。
一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.76%安の3028.05ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。海運株、資源株、銀行・保険株、インフラ関連株、不動産株、公益株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。医薬株、証券株も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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