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太陽フレアの影響は? 太陽活動活発化が日常生活に与える影響
地球磁場によるシールドのイメージ図 V(c) ESA/ATG medialab[写真拡大]
5月になり大規模太陽フレア発生が頻発している。その影響で、11日夜から12日明け方にかけ、日本各地でオーロラが観測されている。
【こちらも】太陽フレアとは何か、どういう現象が起こるのか、どんな対策が必要か
これは太陽活動が11年周期のピークを迎えつつあるためだが、いつどの程度の規模で大規模太陽フレアが発生するのかを予測するのは難しく、少なくとも2025年まではそのリスクに備えていくことが必要だ。
このところの大規模太陽フレアについては、欧州宇宙機関や国立天文台から具体的な情報が公開されている。
欧州宇宙機関によれば、最近の大規模太陽フレアは過去20年間で最大とされるが、地上で生活する人々にとっては、そのリスクは恐れるに足るものではないという。というのも、地球には強力な磁場があり、これが地上で生活する生物を太陽フレアの悪影響から保護する役割を果たしているためだ。
ただし、宇宙ステーションに滞在中のクルーは地球の磁場で守られておらず、太陽フレアの影響を受ける。また人工衛星や電力網、無線通信などの地上インフラを混乱させ、損傷する可能性もある。日常生活では送電障害、通信障害やカーナビ混乱などのリスクがあることを認識しておく必要があるだろう。
また国立天文台によれば、5月に起きた大規模太陽フレアの規模はB、C、M、Xのクラス分けの中でも最大規模に属するXクラスで、これまでの最大規模のものは、5月15日に発生したX8.7(X1.0の8.7倍を意味する)だった。
太陽フレアの規模は、クラスが1ランク上がるごとに10倍となり、XクラスはBクラスの1000倍の規模ということになる。
なお、これまでにいついかほどの規模のフレアが発生したかは、宇宙天気予報サイト(https://swc.nict.go.jp/extreme.html)に詳細が公開されている。
ネット上では、このところの大規模太陽フレアが人類滅亡を招くというような不安をあおる情報も出ているようだが、信頼できる公的機関の情報に基づき、冷静に対処していくことが重要だ。少なくとも地上で生活していく上では健康上の問題は全くなく、送電障害や通信障害等に留意するだけでよい。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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