9日の中国本土市場概況:上海総合0.8%高で反発、不動産株しっかり

2024年5月9日 16:46

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記事提供元:フィスコ

*16:46JST 9日の中国本土市場概況:上海総合0.8%高で反発、不動産株しっかり
9日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比25.84ポイント(0.83%)高の3154.32ポイントと反発した。昨年9月6日以来、約8カ月ぶりの高値水準を回復している。


中国の景気支援スタンスが改めて材料視される流れ。中でも、不動産支援の動きが活発化している。浙江省杭州市は9日、「不動産市場コントロール政策の最適化に関する通知」を発表した。住宅購入規制の全面廃止に加え、住宅購入に対する信用支援の強化、高品質な住宅供給の推進、戸籍取得ポイント制の最適化など7つの措置を実施する方針だ。そのほか、地方都市が相次いで、住宅公共積立金(公積金)制度を利用した住宅ローンの融資限度額を引き上げている。中国貿易統計の上振れもプラス。取引時間中に公表された4月の輸出入統計では、米ドル建て輸出が1.5%増(予想は1.3%増)、輸入が8.4%増(予想は4.7%増)に改善している。前月は輸出入がそろってマイナス成長していただけに、中国景気の持ち直しが進むと期待された。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、不動産の上げが目立つ。京能置業(600791/SH)が2.8%高、保利発展控股集団(600048/SH)が2.6%高、金地集団(600383/SH)が2.4%高、緑地HD(600606/SH)が2.2%高、華麗家族(600503/SH)が1.8%高で引けた。


物流関連の銘柄も物色される。中遠海運HD(601919/SH)が9.2%高、中遠海運特殊運輸 (600428/SH)が5.0%高、寧波海運(600798/SH)が3.9%高、園通速逓(600233/SH)と中国外運(601598/SH)がそろって2.9%高、天津港(600717/SH)が2.2%高で取引を終えた。


軍事関連株も高い。航空宇宙製品の江西洪都航空工業(600316/SH)が6.1%、航空用エンジンメーカーの中航動力(600893/SH)が4.8%、軍用電子機器の中国海防(600764/SH)が4.2%、航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)が2.7%、弾薬・ロケットの長城軍工(601606/SH)が2.1%ずつ上昇した。中東地域の地政学リスクがくすぶっているほか、中台海峡の緊張も意識されている。米海軍は8日、ミサイル駆逐艦「ハルゼー」が台湾海峡を同日に航行したと発表。中国軍は同日、米軍艦を監視し、警告を発したことを明らかにした。ハイテク株、インフラ建設株、素材株、消費関連株、医薬株、保険・証券株なども買われている。


半面、石炭株はさえない。晋控煤業(601001/SH)が2.4%、中国中煤能源(601898/SH)が1.1%、陝西煤業(601225/SH)が1.0%、中国神華能源(601088/SH)が0.7%ずつ下落した。銀行株の一角も売られている。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.74ポイント(0.29%)高の254.66ポイント、深センB株指数が4.60ポイント(0.41%)高の1128.70ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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