2024年問題で住宅購入はどうなる? 今注目されるローコスト住宅ブランド

2024年4月7日 20:32

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記事提供元:エコノミックニュース

働き方改革関連法の適用によって、2024年4月からは建設業界にも時間外労働の規制がかかる

働き方改革関連法の適用によって、2024年4月からは建設業界にも時間外労働の規制がかかる[写真拡大]

 働き方改革関連法の適用によって、2024年4月からは建設業界にも時間外労働の規制がかかる。月45時間、年360時間を超える時間外労働は原則として認められず、これを超えると罰則が科せられることになる。これまで長時間労働が常態化していた建設業界において、労働環境の改善は必要なことではあるものの、様々な問題が懸念されている。

 その一つが人手不足だ。残業しにくい環境の中、これまで同様の工期で建築しようとすれば人材を増やさなくてはならなくなる。しかし、ただでさえ建築業界では以前から人手不足が課題となっている中、さらなる人材確保は難しく、工期が延びる可能性が高くなるだろう。また時間外労働の賃金上昇なども、住宅建築コストに上乗せされることになってしまう。建物価格の高騰から、住宅予算の増額は避けられないだろう。

 ところが、そんな中でも、企業努力によって、品質を下げずにローコストな住宅を提供しようとする住宅メーカーも増え始めている。

 例えば、株式会社AQグループが今年3月に立ち上げた新ブランド「AQ HAUS」がそれだ。同社では新ブランドのターゲットを住宅一次取得層である20代~30代のミレニアル世代に絞り、住宅展示場建設や広告費などを抑えたり、WEBサービスをフル活用したり、入居までのサービスをシンプルかつ分かりやすく構築して経費を徹底的に削減。本体価格1000万円(税込)~ながら、耐震等級が最高等級の「3」、省エネ基準の断熱等級「6」を標準プランとした、高性能で洗練されたデザインのローコスト住宅を実現した。ブランドコンセプトは「SIMPLE IS WONDERFUL」。よくあるローコスト住宅では満足できないと感じている、こだわりの強いミレニアル世代のニーズに応える住宅ブランドとして、早くも注目を集めている。

 ローコスト住宅で人気のタマホームがすすめているのが、家事動線がシンプルで、すべてがワンフロアで完結する平屋建てスタイルの家だ。夫婦だけの家庭も増えている中、ゆったりと暮らせる平屋は近年人気が高まっている。老後を見据えた時も、家事導線がシンプルで、階段などの段差のない暮らしは安心だ。同社で展開している「シフクノいえ プレミア」のプランを利用すると、初期保証・長期保証・点検システムとセットで販売価格1087万円(税込)から、自分らしさの溢れる平屋を建てることができる。

 また、ローコストとまでは言えないものの、総合的なコストダウンを見込む人に好評なのがヤマダホームズだ。同社は大手家電量販店ヤマダデンキのグループ会社である強みを生かしたスマートハウスを得意としており、最新の設備が充実しているのが特長の一つ。しかも、通常ならメーカーの保証期間は1~2年間で終了してしまうところ、入居後10年間は同社の独自保証を無料で受けられるという大きなメリットがついているのだ。住宅設備は不具合が起きると、高額な出費を余儀なくされる。とはいえ、修理しないと生活がままならない。しかし、長期の保証サービスがあれば安心だ。

 2024年問題もさることながら、日銀が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決定したことで、住宅ローンの金利にも大きな影響が出るのではないかと不安が広がっている中、ローコストな住宅の需要はますます高まるだろう。しかし、安かろう悪かろうにならないよう、住宅購入を検討する際にはこれまで以上に、ローコストでも高品質な住宅を提供している優良な住宅メーカーを厳選するように心がけてほしい。(編集担当:藤原伊織)

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