「コロナ禍は終わった」4割どまり、好調な株式市場とは対照的 帝国データバンク

2024年2月19日 09:41

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 帝国データバンクは16日、「コロナ禍の終焉に関するアンケート」の結果を発表し、「コロナ禍は終わった」とする企業は4割にとどまることが分かった。上場企業が3期連続で純利益の過去最高を更新する見通しで、日経平均株価が史上最高値に迫る状況とは対照的だ。アンケート結果では、企業規模により認識に大きな差も見られた。

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 日経平均株価は16日、前日比329円高となり3万8,487円の終値をつけた。取引時間中には3万8,865円まで上げ、1989年末につけた史上最高値3万8,915円にあと50円のところまで迫った。昨年末と比べ、すでに5,023円上昇している。

 株価上昇の背景には、東京証券取引所が上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営に向けた対応を要請したことや、米著名投資家のウオーレン・バフェット氏による総合商社株の買い入れなどがある。また、上場企業の業績が好調なことも見逃せない。

 日本経済新聞が17日に報道したところによれば、上場企業全体の2024年3月期の純利益は3期連続で過去最高を更新する見通しだ。製造業、非製造業とも、期初予想からも上振れる見通しで、値上げの浸透や円安の進行に加え、コロナ禍からの経済再開も後押ししている。

 かかる状況下、帝国データバンクは16日、「コロナ禍の終焉に関するアンケート」の結果を発表した。「コロナ禍は終わった」とする企業は4割にとどまった。また、大企業と中小企業で認識に大きな差があった。一方、働き方が変わったとする企業は7割近くに達している。

 9日から14日にかけ企業向けに行われた本アンケートでは、「コロナ禍は終わった」とする企業は40.2%にとどまった。逆に、「コロナ禍は続いている」とした割合は31.3%で、依然としてコロナ禍の影響が続いている状況が浮き彫りとなった。

 企業規模別では、大企業は50.7%が「コロナ禍は終わった」と回答したのに対し、中小企業は38.8%にとどまり、大きな差があった。業種別では、卸売、金融、製造は4割以上が「コロナ禍は終わった」とするのに対し、農林水産は2割未満にとどまっている。

 また、「自社の働き方がコロナ前と比較して異なる」とした企業は66.3%に達した。内訳は、「半分程度異なる」が19.9%、「2割程度異なる」が37.1%で大半を占めた。一方、「コロナ前と同じ状態」とした割合も30.7%ある。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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