東京海上ビルに始まった空調工事大手:大気社の足跡と強さの何故

2024年1月24日 09:02

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 大気社(東証プライム)。空調工事大手。自動車塗装装置で国内首位、世界2位。理由を改めるまでもないだろうが、2021年3月期は「25%近い営業減益、10円減配90円配」。22年3月期も「19.3%の営業減益」に晒された。が、10円復配100円配。内部留保(23年9月末で内部留保1045億5700万円/有利子負債37億1800万円)の厚さを改めて実感させられた。

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 23年3月期以降は、事業環境の変化・改善を映し出す収益動向を取り戻している。「2.6%増収、22.6%営業増益、9.2%最終増益、21円増配121円配」。そして今3月期は「18.7%増収、13.4%営業増益、17.5%最終増益」計画で始まり、昨年11月13日に上方修正。新たな今期予想は「32.7%の増収(2850億円)、25.5%の営業増益(145億円)、32.6%の最終増益(105億円)、6円増配127円配」。

 上方修正の契機となった中間期を「ビル空調分野の完工高は前年同期比53.9%増。産業空調分野は66.6%増。経常利益は全体で75億8300万円、22億4800万円増」、塗装システムは「北米やインドが寄与、完工高で45.1%増。経常利益は10億3700万円の損失から6100万円の黒字転換」と発信している。

 至25年3月期の中計も、順調な 推移を見込んでいる。「受注高2360億円(23年3月期比9.77%増)/完工高2380億円(12%増)/経常利益150億円(25%増)」。

 大気社には、得手分野での時代の牽引を覚える。こんな具合だ。

★1918年。初の近代的オフィスとされる東京海上ビルが生まれた。大気社は「強制循環式温水暖房設備と浄化槽」を納入。斯界で確固たる地位を築いた。例えば1930年代。紡績産業の急伸長下で、紡績プロセスに欠かせない空調設備の増加で、業績を急拡大させた。

★高度成長期。製造業の幅広い急発展が進む中でカメラ・フィルム・医薬品・電子などの工場建設ラッシュ、精密空調・クリーンルーム向け技術力を高めた。結果、自動車の塗装設備事業に(1953年)に参入。もう1本の事業軸を確立した。

★1970年代以降、海外の拠点づくりに注力。海外工事の経験を積み重ね欧米系企業にも顧客層を広げた(現状で海外売上高は4割弱)。

 本稿作成中の時価は4220円水準、予想税引き後配当利回り2.4%余。昨年9月の4825円から微調整を経て小戻し基調。IFIS目標平均株価4576円を視野に入れるか、過去10年間の調整済み株価パフォーマンス60%強を押し目拾いでドンと腰を据えて構えるか・・・双方に価値ありとみるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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