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テスラとボルボが欧州生産を一部停止 紅海の混乱による日本への影響は?
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米電気自動車大手のテスラと、スウェーデン高級車メーカーのボルボ・カーは、部品不足により欧州生産を一部停止すると、ロイター通信が報じている。紅海での輸送船への攻撃が、奥州の製造業に打撃を与えていることを示す、明確な兆候といえる。
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アメリカとイギリスは、国際海運への攻撃により、世界で最も重要な航路の1つを混乱させているとして、イランが支援するフーシ派民兵組織を標的としてイエメンへの攻撃を開始した。衣料品から携帯電話、自動車のバッテリーに至るまで、あらゆるものを運ぶ船舶が、スエズ運河を回避して喜望峰経由を選択することを余儀なくされている。
これにより通常より輸送に時間がかかり、輸送コストも上昇している。ロイターによれば、この混乱により輸送時間が大幅に長くなったため、サプライチェーンにもギャップが生じているという。
今回のフーシ派への攻撃により、一部タンカー運行会社が紅海の運行を中止しており、テスラとボルボによる生産の一部停止は、今後他の自動車メーカーにも広がる可能性がある。
日本国内への影響だが、自動車生産だけでなく、部品が遅れて届く混乱から、修理に関する部品調達もままならなく恐れもあるだろう。車検で必要なパーツの国内在庫がなくなれば、遠い航路でやってくる部品を待つしかなくなるわけだ。
欧州で生産されるEV車にも影響が出てくると考えられる。リチウムイオン電池の生産は、アジアに供給を大きく依存している。クルマが完成しても肝心のバッテリーの在庫がなくなれば、欧州におけるEV車の納車は大きく遅れることになるだろう。
そして最も懸念されるのが、原油価格の高騰だ。日本の原油輸入は、約9割を中東に依存している。もしこのまま紅海での紛争が長引けば、ガソリン代への影響も考えられる。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)
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