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700万年前と300万年前に起きた超新星までの距離を特定 米イリノイ大
有名なティコの超新星(SN1572)は、地球からの距離が8,000~9,800光年で、爆発当時の最高光度はマイナス4等級であったとされる。左上の赤い円がその残骸。(c) JPL / NASA/JPL-Caltech/UCLA[写真拡大]
超新星爆発は、太陽質量の8倍以上の質量をもつ恒星が、核融合反応の末期に当たる赤色巨星の段階を経て、中心核が重力崩壊を起こした結果、生じる現象だ。その際に発せられるエネルギーはすさまじく、昼間でも明るく輝く光景の目撃談が過去の記録にいくつか残されている。
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例えばSN185(西暦185年に出現した超新星)は、目撃記録が残っている最古の例で-8等級であったと推定されている。またSN1054(同じく西暦1054年に出現)は日本でも観測され、‐6等級であったとされる。
さらに約3億6000万年前のデボン紀の終わりに起こった大量絶滅は、複数の超新星爆発が原因であるとされる。超新星の距離によっては今後人類滅亡をもたらす可能性もあり、人類にとって無視できない現象だ。
米国イリノイ大学の科学者らは、700万年前ならびに300万年前に起こったと推定される超新星までの距離を特定する研究結果を発表した。詳細の論文は、科学論文プリントサーバーarXivで公開している。
300万年前の超新星は、SN Plio、700万年前のそれはSN Mioと呼ばれ、これらの距離の特定に用いられたのは鉄の同位体Fe60だ。Fe60は通常の鉄原子核よりも中性子を4個だけ多く含有。地球の地殻、深海の堆積物、月の砂からFe60のサンプルを抽出し、分析を行なっている。
Fe60の半減期が262万年であることから、複数あるFe60のサンプルがSN PlioとSN Mioのいずれに由来するのか特定ができる。また、超新星由来物質のFe60と残骸の塵の質量比が超新星までの距離に影響されることを利用して、2つの超新星までの距離を特定した。
結果、300万年前のSN PlioのFe60と塵の質量比は10%で、距離は163~212光年、同様のロジックを用いて算出した700万年前のSN Mioまでの距離は359光年で、意外に地球に近いことが判明した。
全く別の過去の研究では、超新星爆発で放出されたガンマ線で半径5光年以内の惑星の生命体は全滅し、25光年以内の惑星では半数が絶滅、50光年以内の惑星では壊滅的な被害が出るとされる。現時点でこのような近距離に危険な超新星候補は見つかっていないが、今後もそのような候補が発見されないことを祈るばかりだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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