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高営業利益率・好ROE・高配当性向:学究社とはどんな会社か
学究社(東証プライム)。東京西部を地盤に小・中学生向けの塾「ena」を展開しており、中高一貫校向けに強いと評価されている。1972年に東京国立市で、生徒4名で立ち上がった塾がいまや「優良企業」と称される存在になった。
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「優良」ぶりは、その売上高営業利益率の高さに顕著。2022年3月期は18.8%、23年3月期は21.3%。そして今3月期も19.7%計画。第1四半期も前年同期比88.5%の営業増益で立ち上がった。
優良ぶりは「儲け上手」の指標とされるROE(自己資本利益率)にも見て取れる。周知の通りROEに関しては「8%水準達成」が1つのメルクマールとされている。前期が35.1%、今期予想が35.0%。さらには配当性向の高水準にも目を奪われる。22年3月期:54.5%->前期:50.3%、そして今期計画の87円配で、46.6%。
一連の優良ぶりを読み解くカギの1つはその「業態」の在り様に求められる。中軸の「ena小学部/中学部/高校部」の他に「ena美術(芸大・美大の現役合格に実績、23年度入試まで12年連続No1)」や、「ena看護(看護系・医療技術系の大学・短大・専門学校の受験対策に特化した塾。関東圏に18の校舎/教室を展開)」などが展開されている。そしてなんと言っても「合格率」。前期の決算書を覗き込むと、こんなあんばいだ。
『全都立中高一貫校11校の入試で1044名(前々期963名)と過去最高を更新。11校の定員合計の合格占有率は58%(55%)と過半数を維持。また都立進学重点7校の合格実績は448名(376名)と、引き続き全塾中No1となった・・・』。合格者数の増加が人件費・家賃・水道光熱費などの増加をカバーし、営業利益(営業利益率)計画を上回るという好循環に繋がっていると捉えることができる。
高営業増益率・好配当性向・好ROEが揃った企業の株価は、市場でどう評価されているか。前期に続き今期も「売上高~純益」まで、過去最高更新計画の企業の株価とどう付き合うか。
本稿作成中の時価は2000円トビ台。予想税引き後配当利回り3.47%余。PER10.8倍と過熱感は皆無。1月6日の年初来安値:1792円から5月の同高値2257円まで買われ、整理基調場面。株価チャートを追うと2014年1月初値692円に対し時価は、約2.9倍。押し目買いで「好配当利回り享受」もよし、中長期構えで好株価パフォーマンスを狙うのもよしと言えようか・・・。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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