新たな段階に昇る期待大:中央倉庫のパワーは「気づき」

2023年8月28日 16:27

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 投資雑誌:株主手帳のZoomIR企画で、中央倉庫(東証プライム)の木村正和社長を取材した。内陸の物流事業でトップクラス。倉庫上位の安田倉庫と連携・補完し、国際貨物の拡大にも注力している。

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 収益動向は順調。2023年3月期の「8.1%増収、13.0%営業増益」に続き今期は、「6.3%の増収(275億円)、9.1%の営業増益(23億円)」計画。22年3月期にそれまでの安定配当志向(22.5円)から増配意向(24円配)に転じ、前期は「28円配」。今期も「30円配」予想。

 木村氏の会社説明を聞いた後、幾つかの質問をぶつけた。「新たな段階入りに本腰の決意」を感じた。表現が適切でないかもしれないが木村・中央倉庫に「気づき」を覚えた。

 例えば前期末の自己資本比率は75.8%。黒字経営の継続で利益剰余金は337億5000万円(有利子負債比、5倍余)。木村氏は、「そうした現状をどう活かす経営を執るか、という姿勢が希薄だった」とした。そうした「気づき」が具体的に新たな道の歩みを実現させ始めさせている。

 ペットボトル取扱高でトップ商社の豊田通商が、子会社:豊通ペットリサイクルシステムズを設立(20年7月)し、リサイクルと積極的に取り組んでいる。豊田通商では「最強の布陣で臨んでいる」とし、3社の協働企業をあげている。内の1社が、ペット樹脂の国内物流を担う中央倉庫だ。

 昨年2月にはテスパックの株式100%を取得し、完全子会社化している。梱包・梱包資材を製版する企業。「梱包事業」は中央倉庫が業界内でも注力し、「特色」(木村氏)としている分野だ。より強化するために、M&A戦略を踏み出した。今後の事業展開強化にM&Aの第1歩と捉えられる。

 攻めの戦略を進める一方、守り?の事業にも乗り出した。不動産賃貸事業。京都梅小路にホテルを開業した。設立1世紀になんなんという企業だ。物流拠点を全国に配置している。木村氏は「拠点の見直しで・・・という施策も、効率化を勘案すると1つの方向か」とした。

 先に「増配の実施」を記したが、至2024年度の中計では「配当性向40%目標」を掲げている。また株主優待策として保有期間にかかわらず、中間期末・年度末の株主に対しクオカード(単元株株主は500円+1000円分)の提供を始めた。

 株価は市場が決めること。が「株価を意識した経営」をトップが持つ意義は大きい。木村氏は、「プライム市場の採用要件を満たしているとはいえ、それぞれの要件の一層の拡大を目指す」とした。それには投資家の注目/株価上昇が不可欠。

 ちなみに取材日の時価は1077円。予想税引き後配当利回り2.23%。が「株主還元策」を始めとした「気づき」にも、注目の価値があると考えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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