NYの視点:米7月中古住宅販売件数は2010年来の低水準付近、在庫不足が原因

2023年8月23日 07:38

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記事提供元:フィスコ

*07:38JST NYの視点:米7月中古住宅販売件数は2010年来の低水準付近、在庫不足が原因
全米不動産協会(NAR)が発表した7月中古住宅販売件数は前月比‐2.2%の407万戸と、6月416万戸から予想以上に減少した。2カ月連続減少で、2010年来の低水準となった1月来で最低となった。調整前の前年同月比では18%超安。住宅ローン金利の上昇や雇用市場のひっ迫も緩和傾向にあるため需要が落ち着いたことと、在庫不足が影響した。

在庫は7月末時点で111万戸。1999年以降の7月としては最小。販売までにかかる期間は3.3カ月。5カ月以下は市場がタイトと判断される。中間販売価格は前年比1.9%増の40.67万ドル。全物件の7割は1カ月以内に売却された。

住宅市場の健全性を見極める上で重要な一戸建て住宅の販売は減少。また、初めての住宅購入者の割合も30%と、6月の27%から上昇。一方で、投資家の占める割合は16%と、18%から低下も昨年の14%からは上昇した。

NARのチーフエコノミスト、Yun氏の見解では2カ月連続で減少も在庫不足が響いており住宅市場が底入れしたと、楽観的な見方。米国の住宅は慢性的な在庫不足で、住宅建設を拡大する必要があると主張した。住宅市場の底入れは成長をさらに支援、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを正当化する。《CS》

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