関連記事
バーリ氏のオプション取引は下落相場の予兆か!?
(c) 123rf[写真拡大]
●著名投資家バーリ氏のオプション取引が話題に
著名投資家マイケル・バーリ氏が率いる資産運用会社が、S&P500やダウ100が下落することに賭けているオプション取引を行っていると、ロイター通信が報じている。
【こちらも】米国債格下げの余波は?
バーリ氏の運用会社サイオンは、第2四半期にS&P500とダウ100のETFの下落を予想するプットオプションに、合わせて16億ドル(約2330億円)以上も買っていると証券当局への届け出で明らかになっている。
バーリ氏は2008年のリーマンショック時に、米国の住宅バブル崩壊を予想し、「世紀の空売り」で名を上げたが、今回もその再来となるのだろうか?
●バーリ氏とは?今さら聞けないオプション取引
マイケル・バーリ氏は、カリフォルニア州サンノゼで生まれ育ち、医学部を卒業し、スタンフォード病院の研修医とて働いていた。
ヘッジファンドを立ち上げるために病院を退職し、1990年半ばから投資家としての評判が高かった。
2000年からサイオンキャピタルを立ち上げ、2005年からサブプライム市場に焦点を当て、早ければ2007年に崩壊するとの予想を的中させた。
2008年に空売りを仕掛け、巨額の利益を得たことで「世紀の空売り」と呼ばれており、後に「マネーショート」として映画化された。
オプション取引とは、決められた価格で「売買する権利」を取引すること。先物取引と違い、期日までに権利を放棄することも可能である。
買う権利がコールオプション、売る権利がプットオプションである。
●15年ぶりの世紀の空売り?
米国の利上げ、ここにきて中国景気の減速など、市場にとってマイナスの要素は多い。
バーリ氏は上昇相場が続いていたこの5年間は1億8000万ドルしか取引しておらず、鳴りを潜めていた。
今春には売ることを促すようなツイートをしたが、後にツイートを削除し、3月には過ちを認めていた。今回もその時のように軌道修正することも考えられる。
しかし、バーリ氏のポートフォリオは9割以上もプットオプションに賭けているという噂もあり、今後の見通しに何か自信を持っているのかもしれない。
ただの保険なのか、賭けに出たのか?この1カ月が大きな分かれ目かもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
スポンサードリンク