21日の香港市場概況:ハンセン1.8%安で7日続落、証券と不動産に売り

2023年8月21日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 21日の香港市場概況:ハンセン1.8%安で7日続落、証券と不動産に売り
週明け21日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比327.56ポイント(1.82%)安の17623.29ポイントと7日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も116.35ポイント(1.89%)安の6030.64ポイントと続落した(ハンセン指数は昨年11月28日以来の安値水準)。売買代金は1085億4310万香港ドルとなっている(18日は1063億8590万香港ドル)。


中国の景気懸念が投資家心理の重しとなる流れ。中国本土では、不動産デベロッパーや地方政府の債務問題、消費活動の低迷など不安材料が山積している。金融緩和の期待もやや後退。寄り付き前に公表された中国の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが引き下げ予想に反し4.20%に据え置かれている。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.55→3.45%に引き下げられたが、予想(3.40%)ほどではなかった。指数は徐々に下げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が5.6%安、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が5.4%安、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が4.0%安と下げが目立った。東方海外については、中間決算の8割減益と配当の減額方針が嫌気されている。


セクター別では、中国の証券が安い。中信証券(6030/HK)が6.8%、中信建投証券(6066/HK)が4.9%、広発証券(1776/HK)が4.3%、華泰証券(6886/HK)が4.1%ずつ下落した。当局の中国証券監督管理委員会は18日、ブローカーの証券取引手数料を引き下げるよう指示。手数料収入の縮小が懸念された。


中国不動産セクターも急落。融創中国HD(1918/HK)が12.6%安、合景泰富地産HD(1813/HK)が8.3%安、万科企業(2202/HK)が3.5%安、龍湖集団HD(960/HK)が3.4%安で取引を終えている。融創中国は中間決算について、赤字が継続するとの見通しを明らかにした。


物流関連の銘柄群も売られる。中通快逓(2057/HK)が7.2%安、嘉里物流聯網(636/HK)が8.3%安、深セン国際HD(152/HK)が3.5%安、京東物流(2618/HK)が3.0%安で引けた。


他方、他の個別株動向では、薬品卸で中国最大手の国薬HD(1099/HK)が2.4%高。ハンセン・インデックシズ(HSI)による四半期ごとの指数構成銘柄定期見直しで、ハンセン指数の構成銘柄に新規採用が決まったことを材料視している。除外が決定した不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)は2.6%下落した。


一方、本土市場も続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.24%安の3092.98ポイントで取引を終了した。証券株が安い。不動産株、銀行・保険株、インフラ関連株、エネルギー株、素材株、運輸株、ハイテク株、医薬品株、公益株、消費関連株なども売られている。半面、通信・ネットワーク関連株は買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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