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第1Q決算から、品川リフラクトリーズ、黒崎播磨、エフ・シー・シーに着目した理由
今3月期企業の第1四半期決算が、ほぼ出揃った。今期「文字通り好調」を感じさせる企業を、掘り起こしてみた。
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★「増収率」: 品川リフラクトリーズ(5351)の23.6%に目を惹かれる。鉄鋼業界向け耐火物の総合大手。JFE、神戸鋼向けが主力。四季報の業績欄の見出し【伸長】、まさにそのもの。
中間期(21.2%増収)そして通期計画(15.2%増収)の確実さを映し出しているのと同時に、その背景を反映してもいる。鉄鋼業界の立ち直りを反映した「拡販&値上げ効果」だ。
第1四半期発表直後に今期の収益・配当の上方修正を発表した。「15.2%増収、30.9%営業増益、68.5%最終増益」。「中間期の110円配(10円増配)を160円に/期末は現時点では100円を据え置き」。背景はやはり「拡販・価格改定効果に伴う収益好転」としている。
時価は7200円台。上方修正直後の年初来高値ゾーン。IFIS目標平均株価は600円方上値にある。押し目買い中長期投資が賢明か。
★「営業増益率」: 黒崎播磨(5352)。日本製鉄系の総合耐火物大手。消耗品が主体。インドなどとの海外提携に前向き。
営業増益率大幅増(第1四半期:前年比40.6%増)の主因は、前期実施の値上げ効果浸透に伴う粗利益率改善。開示直後に中間期・通期/配当を上方修正。さらに勢いを感じさせる流れとして、至2026年3月期の経営計画(売上高1500億円、経常利益120億円)を「前倒し達成」かつ「設備投資計画を200億円から350億円に増額」などと発表した。
時価は1万円トビ台と年初来高値域。予想税引き後配当利回り2.75%。IFIS目標平均株価は「時価やや割高」と評される9610円。好配当を享受しつつ押し目買い姿勢で臨むのが、賢策。
エフ・シー・シー(7296)。クラッチメーカー。二輪では世界首位。ホンダ向け主力にアジア市場で拡充。車市場の回復が背景。前期第1四半期の16.0%営業減益が一転今期は67.6%増益。
同社ではそのあたりを「原材料価格の高騰に晒されたが、(インドネシアの販売拡大に伴う)増収や円安効果で16.5%の増収67.6%の営業増益となった」としている。
時価は1900円台前半と年初来高値の範疇。IFIS目標平均株価は1865円。算出者の見解「やや割高」も、兜町筋には「PBR0.56倍改善」という材料が今後あらためて注目されようとする見方が強い。四季報の業績欄の見出しは【連続増配】。その意味では先の黒崎播磨の見出しも【増配】、今期予想を含め3期連続の増配が見込まれている。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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