14日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安で続落、不動産株に売り

2023年8月14日 16:53

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記事提供元:フィスコ

*16:53JST 14日の中国本土市場概況:上海総合0.3%安で続落、不動産株に売り
週明け14日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比10.82ポイト(0.34%)安の3178.43ポイントと続落した。約3週ぶりの安値水準を切り下げている。


投資家の慎重スタンスが継続する流れ。中国景気の回復遅れが懸念されている。国内ではこのところ、弱い経済指標の発表が相次ぐ。先週11日に発表された7月の金融統計では、国内金融機関の新規融資が市場予想以上に前月から縮小し、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びも予想を下回った。人民元安も警戒。14日の外国為替市場では、対米ドルの人民元安が進み、昨年11月以来の水準で推移している。また、不動産デベロッパーの債務問題や、自動車販売の「価格競争」再発、米中関係の悪化なども不安材料だ。ただ、下値を叩くような売りはみられない。中国経済対策の期待感が根強く、指数は引けにかけて下げ幅を縮小した。「中国人民銀行(中央銀行)は8月中にも預金準備率を引き下げる可能性がある」との観測も流れている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、不動産の下げが目立つ。信達地産(600657/SH)が3.0%安、新城控股集団(601155/SH)が2.8%安、華遠地産(600743/SH)が2.3%安、金地集団(600383/SH)が2.2%安で取引を終えた。


消費関連株も安い。自動車の長城汽車(601633/SH)が4.5%、食品の仏山市海天調味食品(603288/SH)が2.3%、免税店の中国旅遊集団中免(601888/SH)が1.8%、酒造の貴州茅台酒(600519/SH)が1.7%ずつ下落した。


銀行・保険株もさえない。招商銀行(600036/SH)が2.1%安、中国銀行(601988/SH)が1.6%安、中国平安保険(601318/SH)が1.7%安、中国人寿保険(601628/SH)が1.4%安で引けた。ハイテク株、素材株なども売られている。


半面、通信株はしっかり。中国聯通(600050/SH)が2.7%、中国電信(601728/SH)が2.6%、中国移動(600941/SH)が1.6%ずつ上昇した。インフラ建設株、医薬品株、公益株、メディア・娯楽株も買われている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.47ポイント(0.91%)安の269.80ポイント、深センB株指数が11.64ポイント(0.98%)安の1178.39ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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