14日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で5日続伸、通信関連に買い

2023年7月14日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 14日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で5日続伸、通信関連に買い
14日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比63.16ポイント(0.33%)高の19413.78ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が14.97ポイント(0.23%)高の6558.88ポイントとそろって5日続伸した。売買代金は912億4950万香港ドルに縮小している(13日は1113億3400万香港ドル)。


米ハイテク株高が好感される流れ。米長期金利の低下基調を受け、昨夜のナスダック指数は1.6%高と4日続伸し、昨年4月以来、約1年4カ月ぶりの高値水準を切り上げた。中国経済対策の期待感も持続。足もとで発表された経済指標は景気鈍化を示す内容が多く、当局は景気持ち直しをサポートするため、追加の景気刺激策を打ち出すとの見方が優勢だ。中国人民銀行(中央銀行)の劉国強・副総裁は14日、経済成長を支援するために政策手段を活用し、的を絞った強力な金融政策などを実施すると述べている。ただ、上値は重い。週明けに中国の重要経済指標がまとめて報告されるため、結果を見極めたいとするスタンスも漂っている。中国では週明け17日に第2四半期GDP成長率、6月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)、中期貸出ファシリティ(MLF)金利、20日に最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が報告される予定だ。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア大手の中国聯通(762/HK)が5.3%高、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が2.8%高、アルミ製品の中国宏橋集団(1378/HK)が2.7%高と上げが目立った。


セクター別では、通信キャリア・設備、半導体などハイテクが高い。上記した中国聯通のほか、中国電信(728/HK)が4.5%、中国移動(941/HK)が1.9%、中興通訊(763/HK)が4.2%、中国通信服務(552/HK)が2.8%、華虹半導体(1347/HK)が2.4%、中芯国際集成電路製造(981/HK)が1.5%ずつ上昇した。


中国の銀行セクターも物色される。中国農業銀行(1288/HK)が1.5%高、中国銀行(3988/HK)が1.4%高、中国工商銀行(1398/HK)と交通銀行(3328/HK)がそろって1.1%高で取引を終えた。


半面、中国不動産セクターは安い。広州富力地産(2777/HK)が5.7%、合景泰富地産HD(1813/HK)が3.9%、百仕達HD(1168/HK)が3.2%、融創中国HD(1918/HK)が3.0%ずつ下落した。


自動車セクターもさえない。蔚来集団(9866/HK)が3.5%安、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.3%安、小鵬汽車(9868/HK)と長城汽車(2333/HK)がそろって3.2%安と値を下げた。


一方、本土市場は小幅に続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%高の3237.70ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。通信株、メディア・娯楽株、エネルギー株、銀行・保険株なども買われた。半面、消費関連株は安い。発電株、医薬品株、素材株も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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