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日本株だけではない! J-REITのPBR1倍割れ問題
●J-REITの約半数以上が“PBR1倍割れ”
J-REIT(不動産投資信託)のNAV倍率(株式のPBRにあたる)が1倍割れとなる銘柄が半数以上となり、割安感が高まっている。
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東証REIT指数をTOPIXで割った倍率も1倍を割り込んでおり、バブル崩壊後最高値を記録する日経平均などに比べると、出遅れが顕著となっている。
日銀の政策変更への警戒が強いのかもしれないが、上値が重い。
東証がPBR1倍割れ企業への是正を要請してから株価が上昇したようなことが、REITにも起こるのだろうか?
●J-REITとNAV倍率
REITは投資家から集めた資金で、オフィスビル、マンション、ホテル、商業施設などに投資し、その売買益や賃貸収入を投資家に分配する金融商品で、“一口大家さん”などとも言われる。
J-REITは証券取引所に上場しており、2001年から日本にJ-REIT市場が開設された。
NAV倍率は投資口価格を一口当たりの純資産を割った数値で、PBR同様に1倍を超えると割高で、1倍を割れると割安となり解散価値を下回っているということになる。
本来なら投資家が市場価格にプレミアムを付与するので、NAV倍率は1倍を上回ることの方が多い。
●日本株のようなに買われるのか?
円安傾向が続き、金融緩和政策で低金利政策を続ける日本は、不動産もJ-REIT自身も外国からは割安で買われやすいはずである。
新型コロナの影響は未だに影を落としており、リモートワークなどの普及により、オフィス需要の回復が鈍いと言われている。
ただ行動制限の心配が無くなったことにより、インバウンドの回復やホテル・商業施設への客足の回復は今後も見込まれる。
しかし外国人投資家からすれば、金融緩和姿勢を続け、低金利を続けるとしている日銀も早かれ遅かれ、金融政策を変更せざるを得ないと見ており、その警戒感も根強い。
6月にはスターアジアグループによる投資主提案から、いちごオフィスリート投資法人で臨時投資主総会が開催されるということもあり、海外からのJ-REITへの関心はあるだろう。
日本株への買いが一巡した時に、J-REITへの買いへと向かうことも十分に考えられる。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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