4日の中国本土市場概況:上海総合0.04%高で3日続伸、ハイテクに買い

2023年7月4日 16:55

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記事提供元:フィスコ

*16:55JST 4日の中国本土市場概況:上海総合0.04%高で3日続伸、ハイテクに買い
4日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比1.37ポイント(0.04%)高の3245.35ポイントと小幅ながら3日続伸した。


人民元安進行の警戒感が薄らぐ流れ。中央銀行の中国人民銀行は4日、人民元レートの対米ドル基準値を前日に続き元高方向で設定した。4日の外国為替市場は、人民元高・米ドル安方向に振れている。中国国内からの資金流出懸念も薄らいだ。中国経済対策の期待感も支え。国内で軟調な経済指標の発表が続く中、当局は経済の持ち直しをサポートするため、景気刺激策を強めるとの見方が改めて広がった。


ただ、上値は重い。中国景気の回復遅れや、米中対立の警戒感で指数は安く推移する場面もみられた。中国商務部は3日、半導体製造に不可欠なガリウムやゲルマニウムの輸出を制限すると発表。市場関係者は、米国など西側諸国が先ごろ、半導体製造装置の中国向け輸出を規制したことに対する報復措置とみている。他方、外電は4日、事情に詳しい複数関係者の話として「バイデン米政権は中国企業を対象に、米国のクラウドサービスの利用を制限する準備を進めているもよう」などと報じた。米中はけん制を応酬している。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテクの上げが目立つ。半導体モジュール設計・生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)がストップ(10.0%)高、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が4.1%高、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)が4.0%高、LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が2.5%高で引けた。


自動車株も高い。安徽江淮汽車集団(600418/SH)が7.9%、広州汽車集団(601238/SH)が3.3%、金杯汽車(600609/SH)が2.8%、上海汽車集団(600104/SH)が1.2%ずつ上昇した。軍事関連株、海運株、メディア・娯楽株なども買われている。


半面、不動産株はさえない。保利地産(600048/SH)が3.0%安、信達地産(600657/SH)が2.6%安、金地集団(600383/SH)が2.2%安、新城控股集団(601155/SH)が2.0%安、華遠地産(600743/SH)が1.9%安で取引を終えた。金融株、エネルギー株、素材株、公益株も売られている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.04ポイント(0.01%)高の269.83ポイント、深センB株指数が3.00ポイント(0.26%)高の1155.85ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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