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バイデノミクス、本当の評価は?
●バイデン大統領がバイデノミクスの成果をアピール
米国・バイデン大統領は28日(現地時間)、シカゴでの演説で、自身が掲げる経済政策「バイデノミクス」の成果をアピールした。来年の大統領選挙に向けて、有権者に訴え掛ける狙いだ。
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バイデン氏は「米国は世界一の経済成長率を誇り、パンデミック以降世界経済をリードしている」と語り、それが「バイデノミクス」の成果であり、雇用の創出にも貢献したと自賛した。
一方で、経済政策への世論調査で、不支持が50%、支持は40%に届かないなど、決して評価は高くない。
バイデン氏が強調するようにバイデノミクスは奏功しているのだろうか?
●バイデノミクスの成果
インフラ投資の拡大や製造業の国内回帰を促したと強調しており、さらに農村部を含む高速インターネットの整備に約425億ドル(6兆円)を割り当てる計画を発表した。
トランプ前政権が行ってきた富裕層減税によるトリクルダウンから大きく転換し、富裕層への課税を強化。それを原資として、半導体産業や米国の競争力強化へ投資し、ボトムアップでの成長を目指してきた。
バイデン氏は次の段階として、公平な税制の構築を掲げている。
一方で野党が主張するように、相次ぐ利上げ、上昇を続ける物価により、国民の生活は苦しくなっている。
●来年の大統領選へ向けて
懸念されていた債務上限問題は、「財政責任法案」の可決でなんとか乗り切った。
バイデン氏は常々言われているリセッション(景気後退)についても、そのような事態になることはないと強調している。
新築一戸建て住宅販売や消費者信頼感指数は高水準ではある。
しかしこれらの好調な経済指標とは裏腹に、バイデン氏が支持を集めたい中間層からは物価高への不満が根強い。
バイデン氏肝いりの半導体やEV、自然エネルギーよりも、インフレへの不安を解消することを優先してほしいという声が大きい。
インフレが解消せず、利上げが続くことによる景気への不安は付きまとい、この不安が解消しなければ、バイデノミクスは評価されないかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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