巴工業は23年10月期2Q累計2桁営業・経常増益、通期上方修正して一転営業・経常増益予想、配当も上方修正

2023年6月14日 15:24

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  巴工業<6309>(東証プライム)は6月12日に23年10月期第2四半期累計連結業績を発表した。化学工業製品販売事業の好調が牽引して2桁営業・経常増益だった。通期予想は6月7日付で上方修正して、期初時点の減益予想から一転して営業・経常増益予想となった。そして配当予想も上方修正した。経済環境が改善基調であることなども勘案すれば、会社予想にはさらなる上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は業績・配当予想の上方修正を好感して急伸した。そして06年の上場来高値に接近している。引き続き1倍割れのPBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■23年10月期2Q累計2桁営業・経常増益、通期予想を上方修正

 23年10月期第2四半期累計(22年11月~23年4月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.9%増の241億55百万円、営業利益が14.5%増の20億62百万円、経常利益が10.4%増の20億75百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.3%減の14億16百万円だった。

 全体として増収、2桁営業・経常増益、最終減益で着地した。機械製造販売事業は国内官需が低調で営業減益だったが、化学工業製品販売事業の好調が牽引した。なお営業外では為替差損益が悪化(前年同期は為替差益43百万円、今期は為替差損35百万円)した。親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の固定資産売却益4億56百万円が剥落した影響で減益だった。

 機械製造販売事業は、海外向け機械の好調などで売上高が3.8%増の57億98百万円だが、国内官需の伸び悩みなどで営業利益が42.9%減の3億27百万円だった。売上高の内訳は、需要先別には官需が13.5%減の25億56百万円、民需が2.2%増の11億97百万円、海外が40.5%増の20億43百万円、製品別には機械が37.0%増の14億78百万円、装置・工事が20.4%減の5億12百万円、部品・修理が1.3%減の38億07百万円だった。

 化学工業製品販売事業は、半導体製造用途の大幅伸長などで売上高が12.0%増の183億57百万円、増収効果で営業利益が41.3%増の17億35百万円だった。製品別の売上高は、合成樹脂関連が樹脂・製品の増加で8.4%増の25億82百万円、工業材料関連が4.5%減の29億83百万円、鉱産関連が建材・自動車用途材料の増加で22.7%増の28億97百万円、化成品関連が塗料・インキ用途材料の増加で6.2%増の42億24百万円、機能材料関連が半導体用途材料の大幅伸長で56.2%増の30億16百万円、電子材料関連が1.1%増の25億18百万円、その他(洋酒)が9.8%増の1億34百万円だった。

 四半期別にみると、第1四半期は売上高111億28百万円で営業利益5億58百万円、第2四半期は売上高130億27百万円で営業利益15億04百万円だった。

 通期の連結業績予想は6月7日付で上方修正(売上高を10億80百万円、営業利益を6億50百万円、経常利益を6億30百万円、親会社株主帰属当期純利益を3億90百万円、それぞれ上方修正)し、売上高が22年10月期比6.3%増の484億60百万円、営業利益が8.8%増の35億90百万円、経常利益が5.2%増の36億円、親会社株主帰属当期純利益が8.6%減の24億30百万円としている。配当予想も6月7日付で上方修正(第2四半期末12円、期末12円それぞれ上方修正して年間合計では24円上方修正)し、22年10月期比27円増配の80円(第2四半期末40円、期末40円)としている。予想配当性向は32.9%となる。

 機械製造販売事業は一部案件繰延などの影響で期初計画(売上高が19.8%増の136億10百万円、営業利益が販管費の増加で2.6%減の8億80百万円)を下回る見込みだが、化学工業製品販売事業が機能材料関連の好調で期初計画(売上高が好調だった前期の反動で1.4%減の337億70百万円、営業利益が販管費増加も影響して14.1%減の20億60百万円)を上回る見込みだ。

 23年10月期は期初時点の減益予想から一転して営業・経常増益予想となった。そして配当予想も上方修正した。経済環境が改善基調であることなども勘案すれば、会社予想にはさらなる上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は06年の上場来高値に接近

 株価は業績・配当予想の上方修正を好感して急伸した。そして06年の上場来高値に接近している。引き続き1倍割れのPBRも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。6月13日の終値は2808円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS243円53銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の80円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3446円27銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約296億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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