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カスペルスキー、従業員のiPhoneで見つかったスパイウェアの分析結果公表
カスペルスキーは 1 日、管理職など複数の同社従業員が使用する iPhone で見つかったというスパイウェアの最初の分析結果を公表した(Nota Bene の記事、Securelist の記事、Ars Technica の記事、HackRead の記事)。
カスペルスキーが「Triangulation」と名付けたスパイウェアは iMessage 添付ファイルを通じたゼロクリック攻撃によりインストールされるという。iOS の脆弱性を突いた攻撃はユーザーの操作を必要とせず、スパイウェアはひそかに個人情報をリモートサーバーへ送り始める。iOS の特質上、効果的にマルウェアを検出・除去可能なソフトウェアは存在しないが、カスペルスキーは同社製の SIEM ソリューション Kaspersky Unified Monitoring and Analysis Platform (KUMA)で社内の Wi-Fi ネットワークに接続した iPhone による怪しい挙動を検出したとのこと。
iOS の制限などもあって感染には持続性がなく、複数のデバイスのタイムラインは再起動後に感染を繰り返していたことを示しているそうだ。もっとも古い感染の痕跡は 2019 年のものだという。ユージン・カスペルスキー氏はこのスパイウェアに「Triangulation」と名付けた理由として、攻撃するシステムのソフトウェアとハードウェアのスペックを認識するために HTML5 の canvas エレメントによるフィンガープリンティング技術を用い、デバイスのメモリに黄色い三角形を描画するためだと説明している。なお、カスペルスキーでは同社が Triangulation の主要なターゲットではないと確信しているとのことだ。
これとは別にロシア連邦保安庁 (FSB) は同日、Appleのモバイル機器の脆弱性を用いた米情報機関の偵察活動をロシア連邦警護庁 (FSO) とともに確認したと発表した。FSB では米企業である Apple が米国の情報機関、特に米国家安全保障局 (NSA) と緊密に連携していることや、ユーザーの個人情報の機密性を守るという Apple のポリシーが虚偽であることを示すものだなどと主張している(FSB の発表、The Register の記事、Neowin の記事、Reuters の記事)。
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